次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。
※つくし
ぶぜんのかみ
かげゅしゅうこうありくにきゃう
勘解由 相 公有国 卿、若かりけるころ、父、豊前守に具して、筑紫に
父である豊前守に同行して、
たいさんぶくん
ありける時、父、にはかに病を受けて死にければ、有国、泰山府君の祭を
たてまつ
法のごとく、心をいたしてし奉りけるに、三時ばかりありて、生き返り
行い申し上げたところ、
きゃう
えんま
ていはく、「われ、閻魔庁に召されたりつるに、美麗なる饗 をそな
※みゃうくわん
※すけみち
へたるによて、 返しつかはすべき由、定めあるに、冥官一人、輔道
決まりがあるので、
をば返しつかはさるるといへども、 有国をば召さるべし。 そのゆゑは、
というけれども、
その道のものにあらずして、その祭をつとむ。そのとが、なかるべきにあ
なしとするわけにはい
らずと申すに、また座に着きたる人、『有国、とがあらず。その道のもの
けない
かうやう
さた
なき遠国の境にて、孝養心にたへず、この祭をつとめたらむ。沙汰に及ぶ
有罪にする必要
我慢できず、
べからず」と申すに、着座の人々、みな「これに同じ」と申すによて、
はない
今返されたるなり」】といひけり。
※しゅいんかんくわ
せいじ
かの修因感果の、かぎりなき政事の中にも、かやうのことにつきて、な
無数のお裁きにおいてさえ、
みゅうりょおのおの
ほ冥慮 各別なり。いはむや人間をや。しかれば、賞をばすすめ、刑を
そうであればこそ、
ばなだめて、慈悲をさきとせむこと、さだめて、上は天意に達し、下は
人望にかなはむものをや。
(新編日本古典文学全集 「十訓抄」より)
勘解由相公・ ・官職。そ
さい