基本例題56 気体分子の2乗平均速度
物質量n[mol]の単原子分子理想気体(分子の質量 m [kg])がT[K]の状態で、
ある容器に封入されている。アボガドロ定数をNA[/mol),気体定数をR[J/(mol-K))
とする。
(1) 気体の内部エネルギー Uを求めよ。
(2) 気体分子1個の平均運動エネルギーを求めよ。
(3) 気体分子の2乗平均速度を求めよ。
(4) Ne は He の5倍の分子量である。高温低圧の希ガスは,単原子分子理想気体
とみなせるとする。
① 同温での Ne 分子の平均の速さは He 分子の何倍か。
Ne 分子の速さが He 分子と同じとき,Ne の温度は He の何倍か。
(理想気体の内部エネルギー)
= (分子の数)× (分子1個あたりの平均運動エネルギー)
2乗平均速度は,気体分子の平均の速さの目安と見なせる。
考えぶ
解説
(1) 単原子分子理想気体の内部エネルギーUは,
3
U=-nRT [J]
2
開の本 8SS
(2)(分子1個の平均運動エネルギー) =
(内部エネルギー)
より、
(分子の数)
3
u_2uRT
2N。
U
3RT
nNA
nNA
3RT
3RT
(3) 2乗平均速度をアとすると,m?
v* =
2N。
mNa
3RT
よって, =
[m/s)
V mNA
(4) 分子量をMとすると, 気体の質量は、
=M×10-3
mNa
3m/s
4m/s
3RT
3RT
T
(3)より,ア=
V mNA
OC
NM×10
V M
1
5m/s
0 T=一定より, ア oc
JM
3+4+5
=4m/s
よって,平均の速さは分子量の平方根に反比
3
例するので, 倍。
3+4°+5
= 4.1m/s
3
M×10
-3
よって,ひ=
つまり,2乗平均速度は分子の平均
の速さの目安になる。
2)
Tについて解くと, T=
3R
=一定より, TcM
よって,温度は分子量に比例するので, 5倍。