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問2 次のAさんと先生の会話文を読み、後の問い (a~c) に答えよ。
Aさん:コンピュータのオペレーティングシステムで,システムのパフォーマン
スやリソース使用状況を監視する「モニタリングツール」の CPU の項
目に「キャッシュ」という用語があったのですが,これは何を表してい
るのですか?
先生: CPUと主記憶装置との間にあるのがキャッシュメモリで,その容量を
「キャッシュ」という項目に書いてあるのです。CPUはコンピュータの動
作に必要なデータを主記憶装置とやり取りしながら処理しています。CPU
と主記憶装置では,どちらのほうが高速に動作するかわかりますか?
Aさん: 確か, 主記憶装置よりも CPU のほうが高速に動作するんですよね。
Aさん:つまり、CPUはまず1次キャッシュにデータを探しに行って, データが
なければ2次キャッシュ, そこにもなければ3次キャッシュというよう
にアクセスするということですね。
先生:そういうことです。CPUはキャッシュメモリのおかげで, 効率よく処理
することができるのですね。
a
CPU
レジスタ
CPU
Aさんと先生の会話文をふまえて, CPU, 主記憶装置, キャッシュメモリの
正しい構成として最も適当なものを、次の①~③のうちから一つ選べ。
I
②
③
CPU
CPU
レジスタ
レジスタ
レジスタ
1次キャッシュ
主記憶装置
2次キャッシュ
2次キャッシュ
1次キャッシュ
1次キャッシュ
3次キャッシュ
Aさん: キャッシュメモリを CPU と主記憶装置との間に置くことによって、な
ぜ待ち時間が軽減されるのですか?
主記憶装置
3次キャッシュ
主記憶装置
2次キャッシュ
2次キャッシュ
3次キャッシュ
3次キャッシュ
大
先生:そのとおりです。 CPU は非常に高速に動作しますが, 主記憶装置は低速
に動作するため待ち時間が発生してしまいます。 そこで, CPUと主記憶
装置との間にキャッシュメモリを置いて,この待ち時間を軽減している
のです。
1次キャッシュ
主記憶装置
先生: キャッシュメモリは、データを一時的に保管しておくものです。 CPU が
頻繁に使用するデータを主記憶装置ではなくキャッシュメモリに一時的
に保管しておくことによって, CPU が主記憶装置にアクセスする回数を
軽減させています。
HOMAI
Aさん: なるほど理解できました。 ただ、
モニタリングツールのCPUの項目
は、 右図のように 「1次キャッシュ」
「2次キャッシュ」, 「3次キャッシュ」
という名称になっているのですが、
これは複数のキャッシュメモリがあ
るということなのでしょうか?
基本速度:
2.50GHz
ソケット:
1
コア:
6
1次キャッシュ:
2次キャッシュ:
3次キャッシュ:
b Aさんがモニタリングツールで1次キャッシュ,2次キャッシュ,3次キャッ
シュの容量を調べたところ、 図1のとおりであった。 これらをキャッシュ全体
の容量に対する割合で表したときの正しい円グラフを,次の①~③のうちから
一つ選べ。なお, 円グラフでは, 1次キャッシュ, 2次キャッシュ, 3次キャッ
シュをそれぞれ L1、L2, L3 と表記している。
480KB
7.5MB
12
O
/L1
①
18.0MB
②
(3)
L2, L3
L1
L3
L2 C
L1
先生:基本的にキャッシュメモリはCPU 内部に複数設置されていて, レジス
タ(記憶装置) から近い順に1次キャッシュ, 2次キャッシュ,3次キャッ
シュと呼ばれています。レジスタに近いキャッシュメモリほど,一般的
に高速で容量が小さいという特徴があります。
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図1 モニタリングツールの
CPU の項目
K
L2
M
G
T +
L3 L2
480KB
0.48MB
L3
L1
7.SMB
18MB
-5-