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第8問 次の文章を読み、 以下の各問いに答えよ。 思考・判断・表現
胸部の3
昆虫の発生過程では、 体節が形成された後, ホメオティック遺伝子群からつくられる調節タンパク質の
働きによって,各体節は胚の前後軸に沿った特有の形態を形成していく。 このとき、図のように、
番目の体節(第3体節)で発現するホメオティック遺伝子Xの働きを失ったショウジョウバエの変異体では、
をつくらない第3体節が、翅を
つくる第2体節と同様の形態に
なる。 その結果, ハエであるの
に、あたかもチョウのように2
対の翅をもつ個体になる。
第2体節
第2体節
第3体節
第3体節
野生型のハエ
変異体のハエ
野生型のチョウ
問1 下線部アについて、昆虫が属する節足動物門の動物に共通する形質として最も適当なものを、次の①
⑤ のうちから1つ選べ。
① 独立栄養である。
② 原口が肛門になる。
③外骨格をもつ。
④ 脊索をもつ。
⑤ 3対の肢 (付属肢)をもつ。
問2 下線部イに関連して, ショウジョウバエの前後軸の形成には、さまざまな遺伝子の発現を調節するタンパ
質の濃度勾配が関わっている。 たとえば,卵の前端に蓄えられた調節タンパク質YのmRNAは、受精後に
翻訳される。合成された調節タンパク質Yは,しばらくすると後方に向かって下がる濃度勾配をつくる。 このと
き,調節タンパク質Yの濃度勾配による前後軸の形成に不可欠な卵や胚の性質として最も適当なものを, 次
の①~⑤のうちから1つ選べ。
① 卵黄が中央に集まっている。
③ 前後に細長い形をしている。
②卵割が卵の表面だけで起こる。
④受精後しばらくの間は細胞質分裂が起こらない。
⑤別の調節タンパク質のmRNAが後端に偏って蓄えられている。
問3 下線部ウから考えられる, ショウジョウバエの遺伝子Xの胸部での働きに関する合理的な推論として最も
適当なものを、次の① ~ ④ のうちから1つ選べ。
①発現している体節の1つ前方の体節が,発現している体節と同じものになることを促進する。
②発現している体節の1つ前方の体節が,発現している体節と同じものになることを抑制する。
③発現している体節が、 1つ前方の体節と同じものになることを促進する。
④発現している体節が, 1つ前方の体節と同じものになることを抑制する。
問4 下線部工に関連して, チョウが2対の翅をもっている理由を説明する次の仮説acのうち、ショウジョウバ
での遺伝子Xの働き方とは矛盾しない仮説はどれか。それらを過不足なく含むものを、次の①~⑦のう
ちから1つ選べ。
a チョウには遺伝子 Xがない。
b チョウの遺伝子 Xは, 胸部の第3体節では発現しない。
チョウの遺伝子Xは胸部の第3体節で発現するが、遺伝子Xからつくられる調節タンパク質が調節する遺
伝子群の種類が, ショウジョウバエの場合と異なっている。
①a
② b
(3)
C
④a, b
5 a, c
6 b, c
b, c
以上
理系生物 7