〔注意〕 必要があれば,原子量は次の値を用いよ。 H, 1.00; C, 12.0; N, 14.0%; O, 16.0; Si, 28.0
次の文章を読み, (1)~(5)の問いに答えよ。
気体の質量をw[g], モル質量をM [g/mol] とすれば、その物質量はア [mol]である。気体の圧力
を P〔Pa〕,体積を V〔L〕,温度をT[K],気体定数を R [Pa・L/(K・mol)] とすると,理想気体の状態方程式
よりM=イ [g/mol] が得られる。 つまり、気体の圧力P, 体積V,温度T 質量w を測定すれば,そ
の気体の分子量を求めることができる。 以上を踏まえて、常温常圧で液体である純物質Xの分子量を次の
実験から求めた。
小さい穴をあけたアルミニウム箔でふたをした内容積100mL
容器 (図1)を乾燥させ, 室温 (27℃)で質量をはかったところ
49,900gであった。 この容器に約2ml のXを入れ, 容器を図2
のように水に浸して加熱を始めた。 30分加熱すると容器内の液
体が見られなくなり、容器内はXの蒸気で満たされた。 この時
の水温は97℃, 大気圧は1.00 × 105 Paであった。 容器を取り出
して外側に付着した水を乾いた布でよく拭き取り,その容器を室
温 (27℃) まで放冷して再び質量をはかったところ 50.234gであった。
図1
・小さい穴
-アルミニウム箔
・内容積100mL
の容器
水
図2
Xの蒸気を理想気体とみなし、 気体定数を8.31 × 103 Pa・L/(K・mol) とする。 放冷後に容器内で凝縮した
Xの体積は無視できるものとする。 X の蒸気圧は27℃で 0.20×105 Pa, 97℃で2.00×105 Pa である。
(1)空欄とイに適した式を答えよ。
(2) 空気は、窒素と酸素が物質量の比4:1で混合した気体と考えられる。 空気の平均分子量を求め, 小数
第1位まで記せ。 導出過程も記せ。
(3)下線部で物質Xの質量を測定する必要がない理由を50字以内で記せ。
(4) Xの蒸気圧を考慮せずに分子量を求め, 整数値で答えよ。
(5) Xの蒸気圧を考慮して分子量を求め, 整数値で答えよ。 導出過程も記せ。