もう真冬の候であった。そのうえ、故郷へ近づくにつれて、空模様は
怪しくなり、冷たい風がヒューヒュー音を立てて、船の中まで吹き込ん
てきた。 苦の隙間から外をうかがうと、鉛色の空の下、わびしい村々が
いささかの活気もなく、あちこちに横たわっていた。覚えず寂家の感が
胸に込み上げた
ああ、これが二十年来、片時も忘れることのなかった故郷であろうか
私の覚えている故郷は、まるでこんなふうてはなかった。私の故郷は、
もっとずっとよかった。その美しさを思い浮かべ、その長所を言葉に表
そうとすると、しかし、その影はかき消され、言葉は失われてしまう
やはリこんなふうだったかもしれないという気がしてくる。そこで私は、
Tう自分に言い聞かせた。もともと故郷はこんなふうなのだ
ないかわりに、私が感じるような寂塞もありはしない。そう感じるのは、
自分の心境が変わっただけだ。なぜなら、今度の帰郷は決して楽しいも
偶像を崇拝する
N章の読み取り知·技 思·判·表(次の文章を読
-キャニ
b"
進歩も
のてはないのだから
0
今度は、故郷に別れを告げに来たのである
e文章中から、擬音語を一つ書き抜きなさい。
a「いささかの」という言葉の意味を書きなさい。
「長所」、C「進歩」の対義語をそれぞれ書きなさい。
「私」は、Iどこにいて、Ⅱどこに行く途中か。それぞれ三字以内で書きなさい。
目の前の故郷はどんな様子であったか。次の文中の空欄1.2に合う言葉
を、それぞれ五字以内で書き抜きなさい。
*- 村々が、いささかの2|横たわっていた。
「村々」以外にO「寂室」を感じさせるものを、次から二つ選びなさい。
ア 冷たい風
S 」、「言葉」とは、何を思い浮かべたり、表したりしようとしたもの
か。それぞれ「故郷の 」という形に合うように一語で書き抜きなさい。
「やはりこんなふうだったかもしれない」と思うようになった後、「私」
は、 故郷に寂室を感じた理由をどのように自分に言い聞かせているか。ひと続
きの二文を探し、初めの五字を書き抜きなさい
今度の帰郷の目的は何か。文章中の言葉を使って十五字以内で書きなさい
イ 船の中
ウ
H 間
オ鉛色の空
O
▲ファイルにとじて, 復習に活用しよう。 >