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2章
を描い
<溶液
液で
生体内における緩衝作用・
生体内の反応は、特定のpHで働く酵素などに大きく依
存しており、pHを一定に保つために、 いくつかの衝
作用が知られている。
血液中の緩衝作用
ヒトの血液(液体成分である血しょう)のpHは、約7.4
に保たれている。動脈血のpHがほんの少し酸性に傾くと、
状態になり、 反対に p11 がほんの少し塩基性に傾くと、
「けいれんなどを起こす。 したがって、血液のpHの変動を
おさえるために、 いくつかの緩衝作用が知られている。 そ
の一つである血液中の炭酸 HCO と炭酸水素イオン
HCO の緩衝作用を示す。
HCO3H++HCO
生物
生体内では円やなどが、
一定の範囲内に保たれている。
血液中にHが増えると,上記のHCO が反応し, HCO が生成する。
H+ + HCO3-
H2CO3
血液中に OH が増えると, H2CO3 が反応し, H2O と HCO が生成する。
H2CO3 + OH- → H2O + HCO3-
HCO は、CO2とH2Oに分解し, 呼吸によって肺と腎臓から排出される。
過剰なHCOは最終的には腎臓から尿として排出される。
●細胞内や尿中の緩衝作用
細胞内や尿中では,リン酸二水素イオン H2POとリン酸水素イオンHPO -
による緩衝作用が働いている。
H2POH++ HPO.2-
H-PO, は弱酸で,Na,HPO をその塩とみなすことができる。
H*が増えると, HPO2 + H+H2PO4-
OH が増えると, H2PO4 + OH- → H2O + HPO2-
この緩衝作用は,次の滴定曲線のpHの変化を見れば,明らかである。
0.1mol/Lのリン酸水溶液10mLを,
0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液で
物質の変化と平衡 4 化学平衡
pH4
Na3PO4
33
滴定したときの滴定曲線が右図である。
pH=7の付近では, 水酸化ナトリウ
ム水溶液を加えても, pHはあまり変化
しない。 図では,約14mL 滴下したと
ころで, pH = 7 であるが,さらに2
25 mL加えても, pH ≒ 7.5 になるだけで
ある。 ちなみに, 純水24mL に 0.1
mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を
13
11
_Na2HPO4
9
NaH2PO4
7
5
H3PO4
3
0.01mL 加えただけでも, pH = 9.6 に
まで変化してしまう。
1
0
10 14 20
30
滴下した 0.1mol/L NaOH水溶液 〔mL〕
181