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次の詩を味わい、あとの問いに答えなさい。
次の詩を味わい、あとの問いに答えなさい。
阪田寛夫
ある時
山村暮鳥
わたりどり
もまた自分のようだ
去年の今日のこの空を
わたって行った鳥の列②
自分のように
すっかりとほうにくれているのだ
今年もおなじこの空を
あまりにあまりにひろすぎる
4
はてのない青空なので
5
*
おう老子よ
9
こんなときだ
にこにことして
小さなすぎて行く歩い
去年の今日のこの空を
ななめに切って行くけれど
今年はまるであざやかに
光って見える鳥の列
ひょっこりとでてきませんか
9
(注) 老子=欲を捨てて自然に生きることを勧めた古代中国の思想家。
私は鳥を思いやる
T
①行目「雲もまた自分のようだ」とありますが、作者は、雲と自分のど
のようなところが同じだと考えていますか。「ところ」に続く形で、詩の
中から書きぬいて答えなさい。
その苦しみとその勇気
私は鳥を感じとる
その目が見てるこの世界
ところ
⑥~9行目「おう老子よ/こんなときだにこにことしてひょっこり
とでてきませんか」とありますが、作者は、 老子に出てきてもらって、何
がしたいと思っていますか。 書いて答えなさい。
12 1 10 9
⑧⑦ ⑥ ⑤
□22行目「鳥の列」とありますが、「私」が鳥の列を線としてとらえた表
現が用いられている一行を詩の中から探し、行の番号で答えなさい。
(年次)
□ 13 第三連 (9~19行目)に用いられている表現技法を次から二つ選び、 記
号で答えなさい。
ア直喩
イ倒置法
ウ対句 工体言止め
□49行目 「地球はまわる熟れて行く」で表現されていることとして最も適
切なものを次から選び、記号で答えなさい。
こ
ア夕日で、辺りが次第に赤く染まっていくこと。
イ わたりどりがはるか遠くを目指して飛んでいること。
ウ毎年の繰り返しで、わたりどりが旅に慣れていくこと。
●エ 季節が巡って、再びわたりどりがやってくること。ひ
□ この詩は、第一連 (①~④行目)、第二連 (⑤~⑥行目)、第三連 (⑨~
1行目)、第四連 (8~9行目)、第五連 (7行目)の五つに分かれていま
すが、それぞれの連のつながりについての説明として最も適切なものを次
から選び、記号で答えなさい。
ア 第一連~第四連では、連ごとに時間を追ってわたりどりの様子が描か
れていて、第五連では、それを見ている 「私」の内面が描かれている。
イ 第一連と第二連では、 わたりどりの様子が描かれていて、第三連~第
五連では、そこから生まれた「私」の思いや想像が歌われている。
ウ第一連と第二連では、去年のわたりどりの様子が、第三連と第四連で
は、今年のわたりどりの様子がそれぞれ描かれていて、第五連では、「私」
夕日の街を見おろして
あしたをのぞむわたりどり
暮れ行く今日の空の下
地球はまわる熟れて行く
わたしもやがて旅立つだろう
15 14 13
□ 詩の中の「私」は、何のどうする様子を見ていますか。 十五字以内(句
読点も字数に数えます) で書いて答えなさい。
の思いが歌われている。
工 第一連と第二連では、 空を行くわたりどりの様子が、 第三連と第四連
では、その下に広がる地上の様子がそれぞれ描かれていて、第五連では、
「「私」の願いが歌われている。
(SMS) >>W) 9
□⑥この詩の表現上の特色についての説明として最も適切なものを次から選
び、記号で答えなさい。 /F
B
ア 同じことばを何度も反復することによって、伝えたいことを強調して
いる。(書!
ぎんご
150)
音をそのまま表すことば(擬音語)を効果的に用いて、読み手の目と
うった
耳の両方の感覚に訴えかけている。
ウ柔らかな響きの和語を使ったり、ことばを省いたりすることで、しみ
じみとした味わいを感じさせている。
ADMINIST
エ七音と五音のことばのくり返しや、連と連との形をそろえたりするこ
とで、調子のよいリズムを感じさせている。
この詩を通して、「私」が表そうとしている気持ちとして最も適切なも
のを次から選び、記号で答えなさい。
ア 生きるために毎年苦しい旅を続けなければならないわたりどりをかわ
いそうに思う気持ち。
イ苦しみを乗りこえながら勇気を失わずに旅を続けるわたりどりにあこ
がれを抱く気持ち。サー
ウ夕日を受けたわたりどりの列が光りながら飛んでいるという秋の景色
の美しさに感動する気持ち。
エわたりどりのように、自由気ままに生きることができない自分自身に
ふがいなさを感じる気持ち。