ファイルにとじて, 復習に活用しよう。
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2 文章の読み取り 知・技思・判・表 次の文章を読んで、後の問いに答えなさい
もう真冬の候であった。そのうえ、故郷へ近づくにつれて、空模様は
怪しくなり、冷たい風がヒューヒュー音を立てて、船の中まで吹き込ん
てきた。苫の隙間から外をうかがうと、鉛色の空の下、わびしい村々が、
いささかの活気もなく、あちこちに横たわっていた。覚えず寂寥の感が
胸に込み上げた。
とま
1 せきりょう
ああ、これが二十年来、片時も忘れることのなかった故郷であろうか。
私の覚えている故郷は、まるでこんなふうではなかった。私の故郷は、
もっとずっとよかった。その美しさを思い浮かべ、その長所を言葉に表
そうとすると、しかし、その影はかき消され、言葉は失われてしまう。
やはりこんなふうだったかもしれないという気がしてくる。そこで私は、
こう自分に言い聞かせた。もともと故郷はこんなふうなのだー 進歩+
ないかわりに、私が感じるような寂寥もありはしない。そう感じるのは、
自分の心境が変わっただけだ。なぜなら、今度の帰郷は決して楽しいも
のではないのだから。
今度は、故郷に別れを告げに来たのである。
文章中から、擬音語を一つ書き抜きなさい。
a「いささかの」という言葉の意味を書きなさい。
b「長所」、C「進歩」の対義語をそれぞれ書きなさい。
「私」は、Ⅰどこにいて、どこに行く途中か。それぞれ三字以内で書きなさい。
目の前の故郷はどんな様子であったか。 次の文中の空欄1・2に合う言葉
を、それぞれ五字以内で書き抜きなさい。
□村々が、いささかの2 横たわっていた。
⑥「村々」以外に①「寂寥」を感じさせるものを、次から二つ選びなさい。
ア冷たい風 イ船の中
ウ苫エ隙間
鉛色の空
⑦7 ② 「影」、③「言葉」とは、何を思い浮かべたり、表したりしようとしたもの
か。 それぞれ「故郷の[
]」という形に合うように一語で書き抜きなさい。
④ 「やはりこんなふうだったかもしれない」と思うようになった後、「私」
は、故郷に寂寥を感じた理由をどのように自分に言い聞かせているか。ひと続
きの二文を探し、初めの五字を書き抜きなさい。
⑨ 今度の帰郷の目的は何か。 文章中の言葉を使って十五字以内で書きなさい。