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せめてもの供養ちゅうもんや。」
がたく食うのが
という一言で、私は目をつぶって天ぷらを食べた。清流で育った小さな魚
長い集た
なRとSう名の
たったのか、たいがいの村のひとは、川に棲むフナ、鮎、メダカ、ウナギ5
外は、すべておおざつぱに「魚」としか呼ばなかった。 父もご多分に漏れ
は、驚くほどおいしかった。細長いのに身はふくふくとして、ほんのりとは
。 う。
aSト。
は担量りなり る
おしいちゃんたちはもう一匹 食べられ ていいなu、あのよUno
J 会
しかに思い、そんなふうに思う自分がうしろめたく、なんだかおかしくも5
いいつも切り身を焼きすぎる。いや、理由の大半は私の料理の腕前にある
が、豚肉や牛肉が相手だとまだまだ想像が至らぬためか加減よく焼けるのも西
あった。
いまなら、「現金な」という形容がふさわしいとわかる。泣き笑いして食
べた小魚ほどおいしい天ぷらには、その後もついぞ出会わず、私はなんとな
く魚をまえにすると腰が引けるというか身が引き締まる気持ちになる。見開
いたまんまるな目が、「かわいそう。」と思ったくせにおいしく食べた私を見m
透かしている気がするからかもしれない。おまえも俺も、ほかのすべての生一
き物も、食ったり食われたりして生きて死ぬ。それだけのことだ、と言われ
たしかで、魚と問答をはじめてしまうのがいけないと半ば本気で思ってもい
る。
炊飯器が振動をやめ、かわりに猛然と蒸気を噴きあげはじめた。
(三浦しをん「魚の記憶」による)
(注) ようけ…たくさん
卓棋台…四脚の低い食卓
はよせんと…早くしないと
ほかしたら…捨てたら
ている気もして、「なるほどたしかに。」などと一人うなずくうちに、だいた
そのあいだに妹は天ぷらを頭からばりばりたいらげており、私はいっそ
う悲しくなった」とありますが、「私」をいっそう悲しくさせたのはどのよう
この文章からうかがえる妹の性格として最も適切なものを次から一つ選
び、記号で答えなさい。
なことですか。最も適切なものを次から一つ選び、記号で答えなさい。
ア魚の天ぷらを食べずに捨てるとバチが当たってしまうということ。
ィ 食べようと思っていた魚の天ぷらを妹に食べられてしまったこと。
ウ 妹よりも食べ物の好き嫌いが激しい自分の幼さに気づいたこと。
工魚に対して自分が抱いたような思いが妹にはないと感じたこと。
回T現金な」」は、具体的にどのようなことを指しますか。本文中の言葉を一
ア 勝ち気で物おじしない性格
ィ 穏やかで落ち着いた性格
ゥ 感受性が豊かで繊細な性格
ェ思いやり深く優しい性格
この文章の表現上の特徴につぃて述べたものとして適切なものを次からす
べて選び、記号で答えなさい。
ァ 改まった言葉遣いで交わされる会話を描き、魚を食べることに対する、
家族と「私」の認識の違いが生み出す緊迫感を伝えている。
ィ「私」がおそるおそる料理をしている様子を擬態語を用いて描写し、生
き物の命を奪うことに「私」が恐怖を感じていることを表している。
使って書きなさい。
ゥ過去の回想と現在の「私」の様子や気持ちを交互に語ることで、魚に対
する「私」の思いを説き明かしている。
工 魚との問答の中で「私」が何度も同じ言葉を繰り返して述べることで、
B「腰が引けるというか身が引き締まる気持ちになる」は、魚をまえにした
ときの「私」の心情を表現したものです。この表現とほぼ同じ内容を表して一
いる言葉を、本文中から十字で書き抜きなさい。
魚に自分の思いを強く訴えていることを表している。
オ終始「私」の視点から語ることで、読み手を「私」と同化させ、魚にまつ
わる「私」の思いについて共感しやすくしている。
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