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136 〈交流の送電〉
交流電圧が送電に広く用いられるのは, 変圧器によって交
ao
鉄心
流電圧を容易に上げ下げできるためである。 ここでは,電力
損失のない理想的な変圧器を考える。 図1のように, 鉄心に
2つのコイル (1次コイルの巻数がn, 2次コイルの巻数が
n)を巻く。このとき, 1次コイルと2次コイルの間の相互イ
ンダクタンスはMであった。
U1
b
11
112
1次コイル
図 1
2次コイル
⊿の変化するとして、次の設問に答えよ。 なお、設問(1)~(4)は n1, nz, M, ⊿t is ⊿の
時間 4tの間に1次コイルに流れる電流 in が ⊿i だけ変化したとき, 鉄心に生じる磁束が
中から必要な文字を用いて答えよ。
1次コイルに生じる誘導起電力の大きさを求めよ。
(2)2次コイルに生じる誘導起電力をv2とする。このときの比の大きさ
n2 を用いて表せ。
〔A〕
V₂ [V]
V2 をい
V₁
(3) 2次コイルに生じる誘
導起電力 (端子 dを基準
とした端子 cの電位) v2
をMを含む式で表せ。
図 (4) 1次コイルの電流を
図2のように変化させた
2
10
5050
0
1 2 3 4 5 6
-5
t(s)
S
10
0 1 2 3 4 5 6 7 t〔s]
図2
-15
図3
ときの時間変化のようすを図3に図示せよ。ただし,電流żの向きは,図1に示した
矢印の向きを正とし, M=5H (ヘンリー) であるとする。
図4のように,発電所 発電所
から送りだされた電圧
V1, 電流 L, 電力Pの交
流は,変圧器Aによって
電圧 V2,電流Izの交流
に変えられ,抵抗Rの送
電線で消費地近くの変圧
交流発電機
変電所
変電所
送電線
12
鉄心
鉄心
消費地
変圧器 A
抵抗 R
V2
変圧器 B
抵抗
1次コイル
2次コイル
1次コイル
2次コイル
図 4
器Bに送られる。 送電線の終端の電圧は V3 である。 ただし, 電圧 V1, V2, V3, 電流 I, Iz
は実効値である。また,ここで,電力は1周期についての平均の電力であり、1次側,2次
側ともに電圧と電流の実効値の積で表されるとする。 また, 変圧器 A, B はともに電力損失
のない理想的な変圧器である。
(5) 電圧 V3 を P, V2, R を用いて表せ。
(6)発電所から送りだされた電力Pと送電線の終端での電力P' の比,すなわち, e=-
送電効率という。送電効率e を P, Vz, R を用いて表せ。
送電効率を高くするためにはどうすればよいと考えられるか。簡潔に述べよ。
を
P
[九州工大 改〕