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課題
次の実験の結果の説明として, 最も適当なものを下の①~⑤のなかから選べ。
【実験】 マウスからリンパ球を採取し、その
抗体産生細胞細胞数(相対値)
0 20 40 60 80 100
一部をB細胞およびB細胞を除いたリンパ
球に分離した。 これらと抗原とを図の培養
の条件のように組み合わせて, それぞれに
抗原提示細胞(抗原の情報をリンパ球に提供
する細胞)を加えた後, 含まれるリンパ球の
数が同じになるようにして, 培養した。 4
日後に細胞を回収し, 抗原に結合する抗体
を産生している細胞の数を数えたところ,
右図の結果が得られた。
①B細胞は,抗原が存在しなくても抗体産生細胞に分化する。
② B細胞の抗体産生細胞への分化には,B細胞以外のリンパ球は関与しない。
③ B細胞を除いたリンパ球には,抗体産生細胞に分化する細胞が含まれる。
④ B細胞を除いたリンパ球には,B細胞を抗体産生細胞に分化させる細胞が含まれる。
⑤ B細胞を除いたリンパ球には,B細胞が抗体産生細胞に分化するのを妨げる細胞が
含まれる。
(20. センター試験改題)
条件1-B細胞を除く前の
リンパ球のみ
条件2-B細胞を除く前の
リンパ球と抗原
条件3-B細胞と抗原
条件4-B細胞を除いた
リンパ球と抗原
条件5-B細胞を除いたリ
ンパ球, 抗原,お
よびB細胞
指針 培養条件から比較するグラフを絞って考察する。
次の Step 1~3は,課題を解く手順の例である。 空欄を埋めてその手順を確認せよ。
Step 1 選択肢① について考察する
条件2と5の違いは問題を解く上で考える必要がなく,これらは同じ条件と考える。
条件
条件2・5のグラフに着目すると, 抗原が存在しないと抗体産生細胞の
数は0に近く,抗原がある場合と比べて明らかに差があり, 誤りであることがわかる。
Step 2 選択肢② と ④ について考察する
条件(イ)と条件2・5のグラフに着目すると,B細胞と抗原だけでは抗体産生細
胞の増加は少なく、②は誤りで④は正しいことがわかる。
Stepの解答 ア…. 1
課題の解答 ④
11
イ・・・3 ウ・・・4
Step 3 選択肢 ③と⑤について考察する
条件(ウ)と条件2・5のグラフに着目すると,B細胞が無いと抗体産生細胞の数
は0に近く, B細胞がある場合と比べて明らかに差があり, ③は誤りであることがわか
第3章
る。また, B細胞以外のリンパ球とB細胞が混在した場合で, 抗体産生細胞が増加して
おり, ⑤ も誤りであることがわかる。
ヒトの
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