A 『枕草子』
清少納言※教科書P22~24
春はあけぼの ② やうやう白くなりゆく、山ぎは
すこし明かりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。
③夏は夜。 ④月のころはさらなり、闇もなほ、蛍の
多く飛びちがひたる。⑤また、ただ一つ二つなど、ほ
のかにうち光りて行くもをかし。⑥雨など降るもをか
し。
⑦秋は夕暮れ。⑧夕日のさして山の端いと近うなり
たるに、烏の寝所へ行くとて、三つ四つ、二つ三つな
ど、飛び急ぐさへあはれなり。 ⑨ まいて雁などの連ね
たるが、いと小さく見ゆるは、 いとをかし。 ⑩日入り
果てて、風の音、虫の音など、はた言ふべきにあらず。
数
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「春はあけぼの」 現代語訳
①春はあけぼの。② (まわりが)だんだんと白んで
いく、(その) 山際(の空)が少し明るくなって、(赤
みを帯びる)紫がかった雲が細くたなびいている。
③夏は夜。④月の出ている)頃は言うまでもなく、
闇(の夜)でもやはり、蛍がたくさん飛び交っている。
⑤ また、(その蛍が)ほんの一つか二つなど、かすかに
光って飛んでいくのも趣がある。⑥ (そんな夜は、た
とえ嫌な)雨などが降っても、おもしろい。
⑦秋は夕暮れ。⑧夕日が射して(その夕日が)山の
稜線にとても近くなった頃に、烏がねぐらへ行こうと
して、三羽四羽、二羽三羽などと、急いで飛ぶ様子ま