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必修問題 (③
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
役所で働く「私」は、市民データの二重登録によるトラブルを「模範的な市民
で処理したあと、業務を終えて
立ち寄った。
窓口の女性司書は、端末画面の貸出
私の置いた五冊の本
を確認すると、バーコードを読み取ろうとする手を止めた。
「既に六冊借りられていますので、本日は四冊までしか貸し出すことはで
きません。」
「一週間前に、三冊しか借りていないはずですが。」
借りた数に間違いはない。 貸出カードは常に財布に入れて持ち歩いて
いるので、親族の誰かが利用して借りることもありえない。
「それでは、二重になっているようですね。」
ふんぼつ
司書の女性は、間髪を容れずに答える。 それで私も、ようやく納得でき
た。
「ああ、貸出データが二重になっているんですね。 それでは、そのデータ
を正して貸出ができるようにしてもらえますか。」
無感動な表情が私に向けられる。
「いえ、二重になっているのは、データではなく、あなた自身です。」
「どういうことですか?」
「貸出データによると、あなたは一週間前に三冊借りて、 一昨日も三冊借
りられています。 一昨日に借りられた記憶がないということでしたら、 あ
なた自身が二重になって借りられたものと思われます。」
よくあることだとばかりに、彼女の説明はよどみなかった。
「なるほど
。」
私はようやく合点がいった。入力ミスで個人情報データが二重になるこ
とがあるのだ。逆に、「私」の存在そのものが二重になることもあるだろう。
THE
~
(1)
よく出る線の「二重になっている」 について、次の各問いに答えなさい。
この言葉を聞いた「私」は、何が「二重になっている」と思ったのです
「私」という言葉を使って、十字以内で書きなさい。
2 司書は、何が二重になっている」と指摘しているのですか。 「「私」」
という言葉を使って、五字以上十字以内で抜き出しなさい。
10②4「なるほど…。」とありますが、このとき「私」は、どのよう
な気持ちになっていますか。 適切なものを次から一つ選び、記号で答えなさ
い。
ア 司書の奇妙な説明を聞いて、戸惑う気持ち。
イ 司書の手なれた説明を聞いて、納得する気持ち。
ウ 司書の一方的な説明を聞いてる気持ち。
司書の冗談めいた説明を聞いて、愉快になる気持ち。
(③②「彼女はすげなかった」とありますが、 このような態度から、司
どんな様子が読み取れますか。 適切なものを次から一つ選び、記号で答
えなさい。
「私」を不審に思う様子。
「私」に腹を立てる様子。
ウ淡々と業務をこなす様子。
端末操作に集中する様子。
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