文章(1)指示
*8S内岸を記
何といっても、現代技術を特徴づけるのは豊富な工業製品の氾濫であろ
少なくとも先進工業国においては、高い生産性に裏づけられた安価で高品
質の工業製品を容易に入手することができる。このことが豊かさの象徴であ
途上国においても、そのような豊かさが目標として設定されてい
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このことは、とりあえず人間にとって有用でない自然資源を抽出し精錬
し、そして加工して有用なものに変化させることをその中心とする技術そのも
ののあり方と対応する豊かさの図式である。豊かさは、このような生産技術に
よって支えられる。
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このような技術の持つ問題が、最近しばしば話題になる。豊富|
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な工業製品をつくり出すための条件としての資源エネルギーについては、その
限界が指摘されてすでに久しい。しかも使用し終わった製品の廃棄について
は、安全問題などを引き起こしながら廃棄場所の重大な不足を招いている。そ
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してもっと本質的なこととして、資源と廃棄という、いわば工業製品の条件の
みならず、製品そのものの使用の場面においてさえも、道路の容量に対して過
剰な自動車とか、家の中に入り切らない家庭用機器などの問題が起きており、
しかも道路の新設は少なくとも都会においてはもはや不可能であり、家の広大
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化は地価の高騰によって望むべくもない。
自然資源を有用な人工物に変換することにょって豊かさを達成
するという、あたかも自明と考えてきた命題は、多くの矛盾をはらむようにな
ってきたと言わざるを得ない。これらは、人工化環境における人工物充填率の
限界であり、資源·工ネルギーの限界であり、廃棄物処理能力の限界である。