いる。次の学者 (知識の伝承者)ーこの捉え方には問題があるがーというのは、ヨーロッペでは十八世紀頃まで、日本では江
戸時代までの医者のあり方のことである。
それに対して、科学者というのは一九世紀以来の医者の顔であり、そこでは科学的·専門的な研究が優先される。また、按
衛者というのは最先端の医察技術の修得者としての医者の顔のことである。この科学者、按箭者の医学にとっては当然のこと
された対象になる。そしてその弊を補うため、中川氏は愛助者としての医者というのを、医療
を人間に近づけるための新しいモデルとして挙げている。これは医療の場面での相互行為つまり本来の意味での臨床の回復を
ながら、患者は
目ざしたものにほかならない。