n≦kで仮定する帰納法は人生帰納法とか呼ばれたりします(生まれてから(n=1から)現在(n=k+1)までというシャレみたいなものなので、正式な言葉ではない)。普通の帰納法と区別する目的で、この言葉を用いて説明します。
まず、1枚目のような普通の帰納法では
[1]n=1が成り立つ
[2]n=kを仮定
→与えられた式を変形
→仮定を用いてn=k+1のときも成り立つことを示す
という流れですよね。
一方、人生帰納法を使う問題では、なぜこの通常のやり方が通用しないのか(言い換えれば違いは何なのか)というと、【与えられた式を使うためには、n=kだけでは無理だから】です。
通常の問題と違って、条件式にa1からanまでが入ってしまっている以上、n=k番目だけ仮定しても示せなくなってしまいます。
証明の構造としては
1番目が成立→2番目が成立
2番目が成立→3番目が成立
...
というのが普通の帰納法です。
一方で
1番目が成立→2番目が成立
1番目と2番目が成立→3番目が成立
1番目と2番目と3番目が成立→4番目が成立
...
というのが人生帰納法です。
だから、ドミノで言うならば、普通は前の1本が倒れたら次も倒れるから、その前と自分の2本で完結するけど、人生帰納法はk+1番目のドミノを倒すにはk番目までの全ての重みがないと倒れない、というイメージですかね。