ア から順に答えていきます。作品名(作者、内容等)で記しておきます。
伝源頼朝像(伝藤原隆信作、鎌倉文化の似絵、足利尊氏像ではないかとの説もあるので入試にはあまり出ない)
扇面古写経(院政期、経典を書写したもので当時の貴族や庶民の様子も描かれている)
北野天神縁起絵巻(道真の生涯について描かれたもの。道真が活躍したのは平安中期だか、この巻物は鎌倉期の文化なので注意)
信貴山縁起絵巻(院生期の、奈良県の信貴山にまつわる霊験話の絵巻物。同じ縁起物として鎌倉期の石山寺縁起絵巻や北野天神縁起絵巻と混同しないこと)
伴大納言絵巻(平安中期の応天門の変で処罰された伴善男や当時の風俗についての絵巻物。こちらも巻物が書かれたのは院政期なので注意。画像は子供の喧嘩を親が仲裁するシーンで、ややハイレベル)
一遍上人絵伝(一遍の弟子の円伊作。鎌倉期のもの。一遍は死ぬ前に自分の著作は全て燃やして処分してしまったので一遍作のものでは無いことに注意)
源氏物語縁起(源氏物語時代は国風文化、つまり平安時代のものだが、源氏物語絵巻は院政期のものであることに注意)
鳥獣戯画(鳥羽僧正覚猷作、貴族や僧を動物にたとえて風刺した絵巻物。ここから風刺画は江戸時代では鳥羽絵と言われるようになり、明治時代に来日したフランス人ビゴーの描いた風刺画「トバエ」もこの鳥羽絵がもととなった)
六波羅蜜寺空也上人像(鎌倉期の作品で、運慶の息子の康勝作。空也は平安時代の村上天皇のころ、つまり10世紀後半に活躍した僧。六波羅蜜寺は京都)
興福寺無着像(鎌倉期。運慶ら作。奈良の興福寺にはインドの僧のアサンガとバスヴァンドゥを模した無着と世親の仏像が収められており、これはそのうちの片方の無着のもの)
興福寺天灯鬼像(鎌倉期。運慶の息子の康弁作。セットとして同じ興福寺の龍灯鬼像もよく出題されるので要確認)
中尊寺金色堂(院政期のもの。こちらの画像は中尊寺金色堂の内陣を正面から見たものなので分かりにくく、ハイレベル。陸奥の奥州藤原氏の栄華を示す国宝級文化財で、現在の岩手県平泉町にある)
東大寺僧形八幡神像(快慶作。鎌倉文化。僧をかたどった神像ということなので、鎌倉期にも神仏習合が流行していたことが分かる)
三仏寺投入堂(その名の通り堂が断崖に投げ入れられたようにすっぽりはまっているのが特徴。院政期のもので、伯耆国、現在の鳥取県にある)
三十三間堂(鎌倉期のもの。和様という建築様式で造られた。院政期に平清盛が造営した蓮華王院本堂が焼失し、鎌倉時代に再建されて名前を変えた。名前を答える際は蓮華王院本堂と答えてもよいし、もちろん三十三間堂と答えても正解である)
富貴寺大堂(豊後、つまり大分県にある阿弥陀堂。院政期。九州最古の木造建築物)
円覚寺舎利殿(鎌倉期のもの。神奈川県にある。禅宗様という建築様式で造られた)
以上になります。文化史は暗記が大変だと思いますが、頑張って下さい。
誤字
北野天神縁起絵巻の
平安中期だか→平安中期だが
源氏物語絵巻の
源氏物語時代は→源氏物語自体は
です。失礼しました。