第1章 電場
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例題 4-5
電場と電位・位置エネルギー
真空中の電荷と電場に関する下記の
y
文において, (a)から (d) にあ
てはまる式を記せ。 ただし, クーロン P(-d,d)
の法則の比例定数をk [N·m²/C2],
•C(0,d)
電子の電荷を -e [C], 電子の質量
をm[kg] とし, 無限遠点での電位を
0Vとする。
0(0, 0)
x
B(-d, 0)
A(d, 0)
(1)A(d,0) と点B(-d, 0)
に正の電荷 Q を固定し,y軸の点
C(0, d) 電子を置く。
D(0,-
-d).
点Cで速度 0 であった電子が電場で力を受けてy軸上を動くとする
と、原点0での速さは (a) | [m/s] となる。
(2) 点Aと点B の正の電荷 Q のほかに, 点Cに電気量 Q [C] の点電
荷を固定する。さらに,これら3つの点電荷を固定したままで, y 軸上
の負の方向の無限遠点に置かれた電気量 - Q [C] の点電荷をy軸に
沿って点D (0, -d)までゆっくりと動かす。 このときに外力がする
仕事は(b) [J] である。
(3)点Aと点Bに電荷 Q, 点 C と点Dに電荷 - Q を固定した状態から,
点Cの電荷 Q をC→P→B の経路で点B まで, また点Bの電荷 Q
をB→O→Cの経路で点 Cまで同時にゆっくりと動かす。 このとき外
力がする仕事は (c) [J] である。
さらに,点Aの電荷 Q と点B の電荷 Q を固定したままにして,
点Cの電荷Qをy軸の正の方向に向かって無限遠点まで,また点Dの
電荷-Qをy軸の負の方向に向かって無限遠点まで同時にゆっくりと
動かす。 このとき外力がする仕事は(d) [J] である。
(東北大)
解答
(1) (a) 点A,Bの電荷による点Cおよび点0の電位は, それぞれ,
Vc=
kQ kQ √2kQ
+
√2d √2d
d
kQkQ_2kQ
Vo
d
V₁ = kQ+kQ
d
求める速さをひとする。 力学的エネルギー保存則より,
1/12m+(e)xVo=(-e) Vc
..
mv²= (2-√2) kQe
d