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高校数学の範囲では、命題と条件を明確には区別しません。高校生向けの参考書は、命題と条件を明確に区別することなく書かれているものもありますので、言葉の違いについてはあまり深く考えない方がいいです。
大学以降の数学(論理学)では、命題と条件を区別します。
命題…真偽が分かる文章(論理学では、文章を記号を使って書き換え、記号化した文章を「論理式」と呼びます。)
条件…変数を含む式(変数に具体的な値を代入すると真偽が判定できる)
少し難しい話になりますが、変数を含む式とはいえ、例外があります。例えば、「すべてのx」「あるxが存在する」などの表現が含まれる文章は、変数xを含んでいても真偽が判定できます。「すべての」や「ある」の後にある変数を束縛変数といい、そうでない変数は自由変数と呼ばれます。
「条件」といえるのは、厳密には「自由変数を含む式」です。
「条件p,qがあるとき、命題『p⇒q』と命題『q⇒p』の真偽が一致するとき、『pとqは同値である』」
↑この記述では、条件と命題を明確に区別している正しい記述です。
p、q単体は真偽が判定できなくても、「⇒」などで結ばれたもの「p⇒q」は真偽が判定できるもの(命題)になります。pが成り立つと仮定したとき、qも成り立つなら、「p⇒q」は真になります。
たとえば、「x>3」や「x>5」はxの具体的な値が分からないと真偽が判定できません(条件である)。
しかし、「x>5⇒x>3」は真偽が判定できます(命題である)。この命題は真です。xは5より大きいなら、xが3より小さいわけはないので、x>3も真になるからです。
高校の数学はごまかしている部分も多く、混乱しますよね。
お役に立てたようで幸いです。
非常にわかりやすいご回答で、理解できました。
ありがとうございます。