理科
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解決済み

塩化アンモニウムってNH₄Clですよね?
しかしこれは化学式です。
調べてみると、NH₄というのはイオンでしか使わないと書いてありました。
なぜ化学式なのにNH₄になるのですか?
普通はNHзClでは無いですか?

回答

✨ ベストアンサー ✨

原子というのは、中心に原子核という陽子と中性子の塊と、周りを飛び回っている電子によって構成されています。
ちなみに、陽子は+1の電荷を、電子は-1の電荷を、中性子は電気的中性な粒子であるとします。
原子というのは電気的中性なので陽子数=電子数となります。この陽子数の個数は原子に固有で、原子番号と言ったりします。例えば、原子番号2番のHeは陽子数2、電子数2の原子になります。
化学結合の仕方には原子の周りを飛び回っている電子の配置が重要になってきます。
原子は原子核側から順番に殻というものが存在していて、内側から順番にK殻、L殻、M殻、N殻・・・と続きます。
この殻というのは電子が飛び回ることができる電子雲のようなもので、それぞれの殻に収容できる電子数に限りがあります。K殻は2個、L殻は8個、M殻は18個、N殻は32個・・・です。
ここで、
Nは原子番号7番なので、K殻に2個、L殻に5個の電子が入ります。
原子核側から見て、最も外側にある殻に収容されている電子数を最外殻電子数といい、この最外殻電子数の最大は8個となっています。
Nの場合、最外殻電子数は5となります。
電子は2個ずつペアで電子対を作ります。(軌道に電子が2つずつ入る)

最外殻電子数が8のときは4方向に電子対を出します。(この状態が一番安定)

今、Nは最外殻電子数(価電子数)が5なので、1方向に電子対を出し、
残り3方向に対になっていない電子(不対電子)を出します。
不対電子はあと一個で電子対を作れるので、その3方向と結合しやすくなります。
このように、Nは3方向に結合の手が伸びていて、このことを3価といいます。
同様に、Hは1個の価電子を持つので、1方向に結合の手が伸びている1価の原子です。
Clは7個の価電子を持つので、3方向に電子対を出し、1方向に不対電子を出すので、1方向に結合の手が伸びている1価の原子です。

アンモニアNH3はこのようにNの3方向の手が3つのHの手と繋がれている状態です。
このように不対電子同士が電子対を作って結合を作ることをイオン結合と言います。また2つの原子を結合させている原子対を共有電子対といいます。
ここに水素イオンH+ という電子を持たない水素のイオンががやってくると、一つの非共有電子対を出し、H+と結合します。(配位結合) このとき、NH4全体では本来より電子が1個少ない状態(1価の陽イオン)となります。
そこで、Clより電子を1つ多く(8個)持つ塩化物イオンCl-がやってくると、余分に多く持っていた1個の電子をNH4に差し出して結合します。
このようにして、NH4Clは電気的中性な化合物となります。

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