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✨ ベストアンサー ✨

力学的エネルギー保存則というのは習いましたか?力学的エネルギーというのは、運動エネルギーと位置エネルギー(重力による位置エネルギー、バネの弾性力による位置エネルギー)の和です。中学ではバネの弾性力による位置エネルギーは出てこないと思います。

詳しくは高校で習いますが、運動エネルギーは重さと速さ、重力による位置エネルギーは重さと高さによって決まります。重さは何か起こらない限り、普通変わらないので
運エネ→速さで決まる
重力による位置エネ→高さで決まる
と思っていてください。

Aにおいて、物体は速さ0なので運動エネルギーは0で(重力による位置エネルギーの基準をBCとしているので)正の重力による位置エネルギーを持っています。数字が書いてなくてよくわからないので、仮に100の重力の位置エネルギーを持っているとします。
ここまでの話で、正直アは論外です。最初100もっていて、それより高い位置にくるということは、100以上の位置エネルギーだということです。力学的エネルギー保存の観点からありえません。よってイとウのみ考えます。

高校生なら速度ベクトルを分解したり、運動方程式を立てたりすれば説明できるんですが、中学生には難しいので、仮想的なイメージで説明します。
一旦入りきらないかもしれないので、送ります。

ブドウくん

Aの状態から手を離して物体をシューッと滑らせます。ここで仮に、この斜面が点Aと同じ高さの点Eまで続いていたとします。この物体が点Eにやってきた瞬間、時間を止めて、斜面をなくしてしまいました。このあと、物体の運動はどうなると思いますか?
この物体は、点Eにおいて、全く速度を持っていないので、そのまま斜面をなくしてしまうと、下にそのまま落っこちます。
では、次に問題文の状況で、答えがイ(Aと同じ高さ)になるとします。
このときこの後物体の運動はどうなると思いますか?
おそらく写真のような放物線を描きながらそのまま右下へ動くことは予想がつくと思います。

ここで、おかしいことに気がつきませんか?右下へ動く=図の矢印方向に速度をもつということは運動エネルギーを保有しているということです。(20とします)しかし、同じ高さなら位置エネルギーも100もっているはずです。力学的エネルギーが100から120になり、保存されていないことになります。つまり、この運動エネルギー分だけ高さが下がっていないとおかしいですね。

ここからは少し難しい話になるので読んでも読まなくてもいいです。

速さというのは、右向きに5km/hなど、「向き」と「大きさ」をもつ量です。力も右向きに5Nのようにいうことができますね。力や速度のように、大きさと向きをもつ量をベクトルといいます。一方、右向きに5℃や右向きに5時間みたいには言わないので、温度や時間は大きさのみを持ち、スカラーといいます。
力の分解と同様に、速度もベクトルなので分解を考えられます。2枚目の→は力ではなく速度ベクトルの矢印です。

この根本的な原因は、速度を分解したときの水平方向の速度にあります。
垂直方向成分(赤矢印)は、どちらの場合も重力により同じように減っていきます。しかし、水平方向(オレンジ矢印)に関しては、斜面から力を受けなくなったので、減らずにそのまま速度が保存されます。その結果、速度が0にはならず、運動エネルギーが残り続けてしまいます。その影響で(力で言う合力的な)合成した僕たちが観察できる速度ベクトルの向き(青矢印)も変わっていきます。(これが少しでも面白いと思ったら理系向いてます。)

にこちゃん

とても丁寧にありがとうございます😭
ほんとに助かりました!

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