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B 標本平均の分布と正規分布
ある工場で製造された製品について 不良品の割合を調べる場合のよ
うに,母集団の各要素が,ある特性 A をもつかどうかを調査の対象と
することがある。このとき,母集団全体の中で特性 A をもつ要素の割
合を,特性 A の 母比率という。これに対して,標本の中で特性 A を
もつ要素の割合を,特性 A の標本比率という。
特性 A の母比率がpである十分大きな母集団から,大きさがnの標
本を無作為に抽出するとき 標本の中で特性 A をもつものの個数をT
とすると,Tは二項分布B(n, p)に従う。
標本
則が成り立
標本平場
母平均
5
出する
Nm
母集
分布 N
15
10
よって,g=1-p とすると, 86ページで学んだことから,nが大き
いとき,Tは近似的に正規分布N(np, npg) に従う。
特性 A の標本比率を R とすると,R=-
Tである。Rは標本平均 X
例題
10
n
9
と同様に確率変数で
PAR
E(R)=E(T)=1+np=p
V(R)-112V(T)=1212.npa
pq
•npg=
n
☆正規分布)
したがって,標本比率 R は近似的に正規分布 Np,
pq
に従う。
n
(6)
15
標本比率 R は,次のように考えると, 標本平均 X の特別な場合になる。
特性 A の母比率がである母集団において, 特性A をもつ要素を1,
もたない要素を0 で表す変量 x を考えると,大きさんの標本の各要素
20 を表すxの値X1,X2, ......, Xn は, それぞれ1または 0 である。
特性 A の標本比率R は, これらのうち値が1であるものの割合であ
るから
h大きいとき
X1+X2+......+Xn
R=
hXIII N (p, PHP),
Ri
n
N(ゆ)に従う
20
4