✨ ベストアンサー ✨
以前、因数分解が全くわからないという人に教えたときの解答のコピーです。長くなりますが、よろしければ読んでみてください。
まず、因数分解とは何かというと、簡単に言えば足し算や引き算で表されている式を掛け算に直すことを言います。だから答えは単項式×多項式[つまり●( )の形]や多項式×多項式[つまり( )( )の形]になっていないといけません。
その上で、もっとも基本的な因数分解は、「共通因数のくくりだし」です。これは、言ってみれば分配法則の逆です。分配法則により、3(x+5)は3x+15になります。逆に3x+15は3xも15も3を持っているので3(x+5)とできます。こうすることで、もともと3x+15という足し算だったものが3(x+5)という掛け算に変わり、因数分解できたといえます。同じように、x²+xyならばxでくくるとx(x+y)です。どんな因数分解の問題であっても、まずは公式に飛び付く前に共通因数でくくれないかを確認してください。
その確認のあと、はじめて公式を使うことになります。公式はおそらく4パターン習ったと思いますが、覚えるのは3パターンで十分です。でも、きちんとこの3つは覚えてください。詳しくは写真を見てください。そして
1²=1, 2²=4, 3²=9, 4²=16, 5²=25
6²=36, 7²=49, 8²=64, 9²=81, 10²=100
11²=121, 12²=144, 13²=169, 14²=196
15²=225, 16²=256, 17²=289, 18²=324 19²=361, 20²=400も覚えてください。
これらの公式の使い方、使い分けるポイントを説明します。
まず、一番わかりやすいのは3つめの式です。2乗-2乗ならこれです。
x²-121を因数分解しろといわれたら、121は11の2乗なので2乗-2乗となるので、(x+11)(x-11)です。
文字数的に限界なので、一回切ります
最後に説明するのは1つめの公式です。これは慣れの要素も強いです。
x²+5x+6の因数分解を考えます。6は整数の2乗にならないので、2つめの公式ではないことがわかります。
注目するのはxの1次の係数5と定数項6です。この公式では、x²+Ax+Bにおいて足してA、かけてBになる組を見つけます。足して5、かけて6になるのは2と3なので(x+2)(x+3)になります。パッと2と3のように組が見つけられるようになるまでに時間がかかりますが、練習を積めば同じ問題しか出ないので、慣れてきます。もう2問、このタイプをやります。x²+x-12を因数分解します。-12は整数の2乗ではありません。たして1、かけて-12になる組み合わせは4と-3なので(x+4)(x-3)です。
最後にx²-13x+36を因数分解します。x²も36も2乗の形です。だから、2つめの公式である可能性を確かめます。2乗する前の値、xと6をかけて2倍すると12xとなり、これは-13xと一致しておらず、符号違いで一致もしていません。よって、1つめの公式を使います。たして-13、かけて36になるのは-4と-9なので(x-4)(x-9)です。
中には公式が使えないものもあります。
2x²-4x+14は共通因数2でくくり出せますが、2(x²-2x+7)としたあとの( )の中身はこれ以上因数分解できません。
また、置き換えをすることでうまくいくケースや2回公式が使えるものもあります。
(x²+4x)² -9(x²+4x) -36は
(x²+4x)をAと置くことで
A²-9A-36
=(A+3)(A-12)
とできて、Aをもとに戻すと
(x²+4x+3)(x²+4x-12)となります。
2つともさらに公式で因数分解できるので
(x+1)(x+3)(x-2)(x+6)が答えになります。たしかに、多項式の掛け算の形になっているので因数分解できています。
因数分解の手順 まとめ
①まずは共通因数でくくりだし
②そのつぎに公式を利用する。
③公式を利用できない場合は、同じ形を文字で置き換えることで公式を使える形へ持っていき公式利用。置き換えた文字はもとに戻す。
それでも因数分解できないものはそのまま答えにする。
(あくまで中学の範囲での話)
④ ②や③で因数分解したあと、さらに因数分解できる場合はできなくなるまでする。
長々と書きましたが、練習を繰り返せば簡単なものは、九九のようにパッとできるようになります。数があまり大きくなると大変なので、出てくるものも限られます。あとは頑張って繰り返すのみです。
ありがとうございます。
次にわかりやすいのが2つめの公式です。
x²-8x+16の因数分解を考えます。ここで、注目すべきなのは、x²-8x+16の一番左の項x²も右の項16=4²もどちらも2乗の形になっていることです。こうなった場合、2つめの公式を使う可能性が大きいです。ただしx²-10x+16=(x-2)(x-8)のような例外もあるので、この公式を使えるかどうか確かめます。右端と左端の2乗される前の数、つまりxと4をかけてから、それを2倍します。今回だと4xの2倍、8xになります。これが真ん中の項と一致する、もしくは符号違いで一致することを確かめます。そうならなければ、この公式ではなく1つめの公式(このあと説明) に移ります。今回だと真ん中は-8xなので8xとは符号違いで一致しました。一致したらプラス、符号違いで一致した場合マイナスでxと4をつないで( )²をつけます。この問題だと(x-4)²が答えになります。
もう一問、x²+6x+9の因数分解を考えます。右端と左端がどちらも2乗なので、2つめの公式の利用を考えます。2乗する前の数、xと3をかけて2倍すると6x。これは真ん中の数6xと一致するのでプラスです。よって、(x+3)²です。