緩衝液は、「弱酸と弱酸の塩」または「弱塩基と弱塩基の塩」を混ぜてできる液体のことです.ᐟ「他の酸や塩基を加えてもpHがほとんど変化しない」という特徴があります。例えば、CH₃COOH(弱酸)とCH₃COONa(弱酸の塩)を混ぜると緩衝液ができます。逆に、HCl(強酸)とNaCl(強酸の塩)を混ぜても緩衝液にはならないです。
なぜ弱酸(弱塩基)限定なのかというと、
酢酸 CH₃COOH⇆H+ ＋CH₃COO-
塩酸 HCl→H+ ＋Cl-
弱酸は両矢印、強酸は一方通行です。弱酸なら、液体が酸性寄りになっちゃったらCH₃COOHにしてH+の量を減らす、塩基性寄りになっちゃったらCH₃COOHを解体してH+の量を増やす、ってH+の量を調節できますよね。でも強酸の場合、1度H+にしてしまったら後戻りできないので、調節ができません。緩衝液のpHがほぼ一定に保たれるのは、弱酸の電離が両矢印なのを利用して、H+の量が一定になるように調整しているってことです。
じゃあ、酢酸と水酸化ナトリウムの混合溶液のpHの求め方について。
溶液中で何が起こっているかというと、
①単純に、酢酸と水酸化ナトリウムが中和して酢酸ナトリウムができる。
中和反応 CH₃COOH+NaOH→CH₃COONa+H₂O
できたCH₃COONaは、水中では完全にCH₃COO-とNa+に分離しています.ᐟ.ᐟ
②そのあと、中和しなかった酢酸が一部電離して、平衡状態になる。
電離 CH₃COOH⇆H+ ＋H₂O
以下、解き方の手順です.ᐟ.ᐟ
①最初の[CH₃COOH]と[CH₃COO-]を求める
[CH₃COO-]=[CH₃COONa] は「中和した分」[CH₃COOH]は「中和せずに余った分」
模範解答はちょっと分かりにくいかも💦「中和してできたCH₃COONaの量」→「余ったCH₃COOHの量」の順に求める方が分かりやすいと思います。
②[H+]= x (mol/L)とおいて、最初のモル濃度と平衡時のモル濃度を比較する
③Ka=[H+][CH₃COO-]/[CH₃COOH]に代入してxを求める
④pH= -log₁₀[H+]に x を代入する
易しい問題だと酢酸単品しか与えられないので、①の過程は不必要で、最初の[CH₃COO-]は0です。でも、発展問題だと中和が起こったりするので最初の[CH₃COO-]が0じゃないです。だから、まず中和反応を考えて「どれくらい中和して、どれくらい中和せずに余ったのか」考えないといけないってことです.ᐟ.ᐟ
長くなってしまいごめんなさい😖💧分からない部分があったら遠慮なく聞いてください.ᐟ.ᐟ
