国語の問題です。教えてください。
本文から読み取り、問題を教えてください。
そうではあるまい。問題の本質は、実時間を共有していないがゆえに、コミュニケーションの制が対面状況とは根本的に異なったアルゴリズムとなってしまう点にこそあるのだ。
対面状況のコミュニケーションではメッセージを単純にキャッチボールしているのではない。実際のコミュニケーション過程では、フィードバックおよびフィードフォワード過程による制を加えた複雑な局面が存在する。そのメカニズムを解釈するうえでは、実時間という要素に注目せざるをえない。じつは(問1→)この点にこそ、ネットワーク上で繰り広げられるコミュニケーションの本質的な特徴を見いだせるのである。
〈わたし〉と〈あなた〉がある場所に居合わせ、お互いに表情や身振りも見え、相手の声もよく聞こえる状況で会話をする場面を考えてみよう。〈わたし〉が〈あなた〉に話しかけてきた。この場合、コミュニケーションの出発点はどこか?〈あなた〉がメッセージ(かならずしも音声化されたテキストとはかぎらない。「しゃべる素振り」もメッセージのひとつ)を発した瞬間と考えたくなるところだが、実際は〈わたし〉が〈あなた〉のメッセージを受け取った時点からである。「話しかけてきた」ことを〈わたし〉が認識できなければ、コミュニケーションは成立しようがない。
〈わたし〉は〈あなた〉が話しかけてきたことに気づいた。〈わたし〉の意識に〈あなた〉が出現し、〈わたし〉の心象風景に変化が生じる。物理学の用語を使えば、「場が歪む」のだ。この「歪み」は心地よいかもしれないし不快かもしれない。優越感を抱かせるかもしれないし、その反対かもしれない。緊張を高めるかもしれないし、くつろがせるかもしれない。
たとえば、そのときの感情によって、〈わたし〉が心地よさを覚えて頬をゆるめたとする。
ところが、〈あなた〉は〈わたし〉の表情の変化を「冷笑」というメッセージとして受け取り、これから発しようとする声を荒らげるかもしれない。そうなると今度は〈わたし〉が〈あなた〉の声の変化に違和感を覚え、眉をひそめてしまうだろう。それすなわち、意識のなかの「盛み」が不快の方向に振れたのである。
<あなた>はその様子を見て「しまった」と思い、あわてて声の調子をおさえる。〈あなた〉の声がひそめられたのを認識して〈わたし〉の意識の「歪み」がくつろぎ、あたりさわりのない返事をする。その刹那、〈あなた〉の表情に失望の色が浮かんだかのような助象を〈わたし〉は受ける。すなわち、〈わたし〉の意識のなかにある〈あなた〉が翳り、(問2→)〈わたし〉に波紋が広がる。〈わたし〉はこういう内容をこういう口調でしゃべれば波紋がおさまるだろうと予測し、それにもとづいて話を始めるー。
問1.「この点」とは、どのようなことか。
問2.「〈わたし〉に波紋が広がる。」とは、どのようなことか。
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