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解決済み

門出(土佐日記)についてです。

「この人、国に必ずしも言ひ使ふ者にもあらざなり。」

この文の「なり」は伝聞の意味だそうですが、どうしてかわかりません。

文法書によると、
伝聞の「なり」は活用語の終止形に接続する
断定の「なり」は体言、活用語の連体形、副詞、助詞に接続する
とあります。

文中の「ざ」が打消の「ず」の連体形、撥音便、撥音の無表記ということらしいので、文法書と照らし合わせて「「ざ」はつまり連体形だからこの「なり」は連体形に接続できる断定の「なり」だ」と考えたのですが、違うようです。

どうしてでしょうか。教えてくださると嬉しいです。

土佐日記 門出 古文 文法

回答

✨ ベストアンサー ✨

ご存じのように

【ざるなり】

  ー撥音便化→【ざんなり】

  ー無表記化→【ざなり】

ですね。(ですから「ざなり」は「ザナリ」と読んではいけません。「ザンナリ」と読むのです。)

そして、さらにご存じのように、助動詞「なり」には2種類あります。

1️⃣ 断定「なり」(連体形接続)

2️⃣ 伝聞推定「なり」(終止形接続、ただし!ラ変型の活用語は連体形接続!)

さらに、もうご存じのように、確かにこの場合、助動詞「なり」の直前に来ている「ざ」は、助動詞「ず」の連体形「ざる」ですね。

ただし、あまりよく知られていないのですが、助動詞「ず」は実はラ変型なんです。助動詞が後にくる方の活用は「ざら、ざり、◯、ざる、ざれ、ざれ」と活用するでしょ。これは「ら、り、り、る、れ、れ」のラ変動詞の活用と一致しますね。

だから、接続だけでは、この「なり」が断定なのか伝聞推定なのか、見分けることができないのです。どちらも連体形接続で🆗なんです。直前にある「ざる」はラ変型なのですから。

では、どうしたら2つを見分けられるのか…

簡単です。このルールをインプットしておきましょう。

「直前にラ変型の連体形が撥音便化した語がくる場合の「なり」は伝聞推定一択です。断定はあり得ません」

これからが楽になりますよ。

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