化学
高校生
これの解き方が分かりません。
教えて頂けると助かります。宜しくお願い致します。。
18
ペプチドXは図に示す
ように5種類のアミノ酸
が9個つながったペプチ
ドで,1つのジスルフィ
ド結合が存在している。これについて実験(1)
~(10)を順次行った。 右にペプチドXに含まれ
る各アミノ酸の名称, 略号, 分子量, 側鎖構
造を示す。 (H=1.0,0=16)
切断と分離実験 (1) ペプチドXのジスルフ
N末端
H2N-
問2
問3
問4
ペプチドX
問5
問6
問7
グリシン システイン アスパラギン酸
Gly
Cys
75
121
H GH2-SH
リシン
Lys
146
イド結合を,チオグリコール酸アンモニウ
ムを用いて還元した。
実験(2) 実験(1)で還元処理したペプチドXの水溶液
を,pH8で芳香族アミノ酸のC末端側を
切断する酵素で分解したところ, ペプチド
AとBに分かれた。
実験(3) さらに,実験(2) で酵素処理を行った水溶液のpHをそのままにして,塩基性ア
ミノ酸のC末端側を切断する酵素で分解したところ, ペプチドAはペプチドC
とDに分かれた。
(5) Gly-Tyr-Gly-Gly-Cys-Lys-Gly-Cys-Asp
(6) Gly-Tyr-Gly-Cys-Gly-Asp-Gly-Cys-Lys
Asp
133
C末端
9-COOH
CH2
CH2
CH2
CH2-COOH
チロシン OH
CH2NHz Tyr
181
実験(4) イオン交換樹脂を詰めたカラムを用いて分離することにより, 実験 (3)で酵素処
理を行った水溶液から3つのペプチドB, C, D が得られた。
実験(5) 還元していないペプチドXを実験 (2)で用いた酵素で分解後, 実験(4) と同じ方法
で分離しようとしたが2つのペプチドは得られなかった。
アミノ酸分析 実験 (6) ペプチドXを還元した後, アミノ酸組成を解析すると, ペプチ
ドXには1個のアスパラギン酸, 1個のリシン, 1個のチロシン 2個のシステ
インおよび4個のグリシンが含まれていた。
実験(7) ペプチド B,C,D の N 末端はいずれもグリシンであった。
質量解析 実験(8) 質量分析を行うとペプチドBの分子量は 293 であった。
定性分析 実験 (9) ペプチド B, C もしくはD を含む3つの水溶液に, 水酸化ナトリウ
ム水溶液を加えて塩基性にした後, 薄い硫酸銅(ⅡI)水溶液を少量加えた。 その
呈色反応はペプチドBまたはCを含む水溶液では陽性となったが, ペプチドD
を含む水溶液では陰性となった。
実験(10) ペプチド B, CもしくはDを含む3つの水溶液に、濃硝酸を加えて加熱した後,
一度冷却してからアンモニア水を加えたところ, ペプチドDを含む水溶液では
呈色反応が陽性となった。
問1 実験(3)で使用された酵素は次のどれか。
カタラーゼ, セルラーゼ, トリプシン, ペプシン, リパーゼ
実験(5)で得られた結果から, わかることは何か。 30 字以内で記せ。
実験(9)の反応を何というか。 また反応が陽性の場合何色になるか。
実験 (10)の呈色反応の結果から, ペプチドDにはペプチドXを構成するどのアミノ
酸が含まれていると判定できるか。
ペプチドDの構造を構造式で記せ。
等電点より酸性側でのグリシンの構造式を記せ。
陽イオン交換樹脂に 性付近でもっとも結合しやすいペプチドは B, C, D のう
ちどれか。
問8
ペプチド Xの分子量はいくつか。
問9 還元したペプチドXの配列として考えられるものの番号をすべて選べ。
(1) Gly-Cys-Gly-Lys-Gly-Tyr-Gly-Cys-Asp
(2) Gly-Cys-Lys-Gly-Gly-Tyr-Gly-Cys-Asp
(3) Gly-Gly-Cys-Lys-Gly-Tyr-Gly-Cys-Asp
(4) Gly-Gly-Tyr-Cys-Gly-Asp-Gly-Cys-Lys
CH2
[藤田保健衛生大改]
81 問1 トリプシン
問2 ジスルフィド結合による環状構造内にチ
ロシンが含まれている。 (29字)
問3 ビウレット反応色:赤紫色
問4 チロシン
H
HJ5 NHC-CO NHC-COOH
CH2
SOHO
H6_NHs-C-COOH
H
問7 ℃ 問8856
問9(1),(3)
問1 タンパク質の加水分解酵素はトリプシンと
ペプシンであり, pH8でよくはたらく酵素
はトリプシンである。
問2 ジスルフィド結合を残したまま、 酵素で切
断すると,環状構造内で切断される場合と,
環状構造外で切断される場合がある。
環状構造内で切断
環状構造外で切断
1分子
12分子
問4 実験(10)はキサントプロテイン反応であり,
ベンゼン環を含むチロシンを検出する。
問5 実験 (9)はビウレット反応であり, トリペプ
チド以上で呈色する。 ペプチドDは呈色し
ていないので,アミノ酸またはジペプチド
である。 問4 より ペプチドDはチロシン
を含み, 実験 (7) より ペプチドDのN末端は
グリシンとある。 よって, ペプチドDはジ
ペプチドで次のような配列になっている。
H₂N-Gly-Tyr-COOH
問7 中性付近で、陽イオン交換樹脂に最も結合
しやすいペプチドは、中性付近で正の電荷
をもつイオンとなっている, 塩基性アミノ
酸を含むペプチドである。 実験 (3) より,塩
基性アミノ酸 (Lys) はペプチドAに含まれ
る。ペプチドAが分解によりペプチドCと
ペプチドDになり、 問5よりペプチドDに
は含まれないので, ペプチドCに含まれる。
問8 アミノ酸9個の分子量から, ペプチド結合
によって失われる8分子の水と,ジスルフ
イド結合により失われる水素原子2個を減
じたものがペプチド Xの分子量である。 実
験(6)より, アミノ酸の組成がわかるので,
(133+146+181+121×2+75×4)
-18×8-1×2=856
問9 問4 問5 問7より ペプチドXおよび,
ペプチド B, C, D について次のことがわか
る。
・ペプチドB: トリペプチド以上で, Gly
(N 末端) をもつ
ペプチドC: トリペプチド以上で, Lys,
Gly (N 末端) をもつ
ペプチドD:H2N-Gly-Tyr-COOH
さらに、 問2よりジスルフィド結合で1分
子を保っていることから, ペプチドA(ペプ
チドC)とペプチドBはそれぞれ Cys をも
つ。 実験(8) より, Gly と Cys を含むペプチ
ドBの分子量は293であり, ペプチドBを
3分子と仮定すると、残りのアミノ酸の分
子量は,
293+18×2-(75+121)=133
よって, ペプチドBはAsp を含み、次のよ
うなトリペプチドとなる。 ただし、()内の
順番は決定できない。
H₂N-Gly-(Cys, Asp)-COOH
実験(6)より, ペプチドCに含まれるアミノ
酸は, Gly 2個, Cys 1個, Lys 1個を含ん
でいる。
実験(2) 実験(3)より, ペプチド B,C,D は
左側をN末端として次のように並んでいる。
ペプチドC-ペプチドD-ペプチドB
よって、アミノ酸配列は,
Gly-(Gly, Cys)-Lys-Gly-Tyr-Gly-(Cys, Asp)
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