回答

「む」を打ち消しにしたのが「じ」
「べし」を打ち消しにしたのが「まじ」

ですので、原則として、主語の人称によって次のように見分けられます。

一人称+じ、まじ →①打消意志
三人称+じ、まじ →②打消推量

①限りあらむ道にも後れ先立たじ。
(限りあるような人生でも、先立ちたくない(死にたくない))
→限りある人生(いつかは死ぬ)だけれども早く死にたくはない。この一文には主語がありませんが、文脈から「打消意志」だとわかります。

②ものを聞きも果てず、ひた騒ぎに笑ふこと、あるまじきことなり。
(言うことを最後まで聞かず、笑い騒ぐことはあってはならない)
→最後まで話を聞かないで騒ぐという悪いことを挙げたあと、「あるまじきことなり」といっているので、これは「不適当・禁止」だとわかります。

③唐のものは、薬のほかはなくとも事かくまじ。
(中国のものは、薬以外はなくても事欠かないだろう)
→中国のものは、薬だけで十分だということです。「薬のほかはなくとも」は薬のほかはなくても、そのあとに「事かく」「まじ」ときているので、文脈から打消推量となります。

④戦の陣へ笛持つ人はよもあらじ。
(戦の陣へ笛を持っていく人はまさかいないだろう)
→戦の陣へ、遊びにつかう笛を持っていく人はまさかいないだろう、というわけです。よって、打消推量です。

古典常識(当時の風習、人々の考え方)を知っていると、より、
「これは当時は当然のことなのにそんなことする?」
「そう思いたくなっちゃうよね」
と、判断がしやすくなるかも。

文の前の方に書いてあることと、最後の方に書いてあることがどんな関係か「接続詞」に注目して考えてみるとより現代語訳しやすくなると思います。

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