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社会•歴史 新日米安全保障条約についてです。

授業で、新日米安全保障条約が結ばれたことによって日米は軍事協力をする。また、日本(米軍基地も)がもし攻撃されたら日米共同で攻撃してきた国を攻撃し返す、と習いました。

そこで疑問に思ったところがあります。日米は軍事協力をするとありますが、アメリカ本土で攻撃を受けた際に日本はアメリカと共同でやり返さないといけないのでしょうか。

ご回答いただけると嬉しいです。

新安全保障条約

回答

✨ ベストアンサー ✨

アメリカ本土で攻撃を受けた際に日本はアメリカと共同でやり返さないといけないのでしょうか。

≫現在、日本にそれは出来ません。
(安保条約が結ばれた頃も、現在もできません)

理由を簡潔に示すと「自衛の範囲を超えるから」です。
(日本は、自衛以外の武力行使は出来ない)

日本は、自国が攻撃された国にだけ反撃ができるという「個別的自衛権」のみを持つとされてきました。
逆に「同盟国が攻撃されたら反撃できる」ことは「集団的自衛権」と呼びます。アメリカはこれができるので、米軍基地が置いてある日本が攻撃されたら、アメリカが攻撃されたと同じように反撃をすることが出来ます。

これは自衛隊が出来た頃から一貫してきたのですが、2015年に「集団的自衛権の一部容認」というのが閣議決定されました。(以下の画像)
このとき「新3要件」というのが定められ、これらをすべて満たすと判断されたときに、集団的自衛権が行使できます。簡単にいえば、「同盟国が攻撃されて、日本/日本人にも明白な危険が及んだとき」ですね。

この条件を満たさないとき、つまり「アメリカ本土で攻撃を受けた際」などは、日本は国内の制限により攻撃できません。

ちなみに余談ですが「アメリカが本土攻撃された」というのは滅多になく、いろんな考え方はありますが最近だと「2001年のニューヨーク州のアメリカ同時多発テロ」と言われています。このときアメリカは自衛権を発動し、首謀者を匿ったとしてアフガニスタンを攻撃、政権を打倒しました。このとき24人の犠牲者を出した日本でしたが、自衛権は発動できないため、アメリカなどに多額の資金援助というかたちで支援をしています。

さらに余談ですが、もう1つ前の「アメリカへの本土攻撃」は、1941年の日本による「真珠湾攻撃(ハワイ州)」です。

りー

ご丁寧な回答ありがとうございます。

日本に明確な危機が及ばないと集団的自衛権が行使できないというのは初めて知りました。

またもう一つ気になったことがあります。
芘音さんの解説とひふみさんの解説を読ませて頂いたところ、こちら側の知識不足なところもあり、お二人の仰っていることを頭の中でまとめることが出来ませんでした。大変申し上げにくいのですが、ひふみさんの解説の中でなにか違うと思った点はありますか?

ご回答いただければ嬉しいです。

芘音(シオン)

だいぶ専門的な範囲も含むので、質問いただいて大丈夫ですよ!

ひふみさんの解説の中でなにか違うと思った点はありますか?
≫まず最初の2文しか質問の回答になっていないので、これに少しだけ説明を加えます。「新安保条約は~共同して軍事行動をとりる」という部分は同条約第五条書かれていることです。ただし、法的な拘束力というのは「憲法>条約>国内の法律」という順番で優先されるため、日本が集団的自衛権を行使できるかの問題は憲法上の問題(具体的には第9条です。この条文番号は中学公民で要暗記)になります。

簡潔にいえば、新安保条約が締結された以来、憲法解釈から、集団的自衛権は認めていません(現行憲法下では2015年にはじめてごく一部認められます)。憲法で認められていないとする限り、日本は集団的自衛権は容認しません。

だいぶ話が中学範囲を逸脱したのでまとめますと、「日本は憲法9条で集団的自衛権をごく一部しか認めていないため、アメリカ本土で攻撃を受けた際でも、日本は反撃できない(行使の要件を満たさない限り)」です。
※これが2015年以前であれば「日本は集団的自衛権を認めていないため、アメリカ本土が攻撃を受けた際でも反撃できない」になります。

りー

遅くなってしまいすみません。
ご解説ありがとうございます。
わかりやすい解説のおかげで理解が深まりました!

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回答

アメリカの戦争に、日本が巻き込まれるという議論は、安保では良くされていますね。
新安保条約は、日本とアメリカの集団的自衛を定めており、日米のどちらかが武力攻撃を受けた場合、アメリカ軍と自衛隊とが共同して軍事行動をとりることになっています。

地政学とか、戦争の知識が無いと、理解が必要ですね。
そして、戦後の、ソ連とアメリカが冷戦を理解することが大切だと思います。

ソ連がアメリカを攻撃するには、いくつかの攻撃ルートがあります。
①北極海を越えて、長距離爆撃機やICBM(ミサイル)で攻撃する。
②ヨーロッパを戦車で、攻撃して、ヨーロッパのアメリカの影響力を排除する。
③ソ連の海軍が、日本海から、太平洋に進出して、アメリカに攻撃する。

①は、カナダとアメリカは一緒になって防空網を作ることで対応しました。
その対策として、コンピュータ(計算機)やインターネットが生まれました。
インターネットは、万が一核攻撃を受けて、アメリカ軍の指揮系統が乱れても、組織だって反撃できるための通信システムがきっかけです。

②第二次世界大戦の独ソ戦で、縦深攻撃という、電撃作戦以上に攻撃力(破壊力)のある戦術使って、ソ連、ドイツに勝利しました。冷戦時に、西側は、その戦法を防ぐ方法は、ほぼ無いと言われていました。
とはいえ、大陸国家が、海洋国家に対応する海軍力を持つことはすぐには難しいので、ヨーロッパを陸軍で制圧しても、そこから、すぐに海軍でアメリカを攻撃するのは難しいです。

③ソ連の太平洋艦隊が自由に太平洋を動ければ、アメリカにとって、太平洋の自由(船による物資の輸送)がしにくくなります。だから、日本列島で、ソ連の太平洋艦隊を閉じ込める必要があります。
そのために、日本が必要なのです。

②③にソ連が成功しても、ソ連の陸軍が、直接アメリカに上陸することは難しかったと思います。

アメリカの外交(世界戦略)は、
アメリカがソ連に攻撃されないための同盟だから、いきなりアメリカ本土が攻撃をされることは、まずないのです。
だから、キューバ危機のように、アメリカの真横に、ソ連の基地が作られる可能性があったとき、核攻撃をやりある第三次世界大戦があと少しで起こりそうになったのです。

ここまでは、米ソ冷戦の話です。
ソ連が崩壊し、冷戦が終わったとき、超大国vs超大国の戦争(対称戦)は回避できましたが、テロとの戦い(非対称戦)が始まりました。
その最たる物が、9.11です。アメリカ本土が新時代の戦争に巻き込まれる事は十分あるのです。

米ソ冷戦 第二次世界大戦 vuca時代 テロとの戦い
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