現代文
高校生
長文問題なんですが、問3問4問7の、文章から答えを見つけ出す問題が分からないので教えて欲しいです、、、
ロ
一古典芸能」そこでは、テレビのスイッチをひねれば容易にお目にかかれる類の、無責任かつ場当り的な芸の意
は消え、水い過去を背負った厳しい芸の様相を帯びてくる。
2この厳しさは、いうまでもなく「伝承」の尊重という事実による。そしてこの態度の根本に、「伝承」とは、ほかな
らぬかつての名人達人たちが具現した芸の極意の集成であるとする達意を感じとることが出来る。もともと、芸は磨
かぬかぎり生なものだ。芸と術、そのヨーロッパ流の意識を持たなかった日本の芸術家たちも、芸を磨く体的手段
を、「伝承」に見出してきたということである。
mもちろん、この方式は極めて日本的である。たとえば、以前母が持っていた華道の教科書にそのことを感じた。開
くと、 そこには毛筆で克明に写生された生花の絵がずらりと並んでいた。ただし解説めいた記述ははなはだ簡単で、
残る印象といえば、華道の根本の形式、「天」、「地」、「人」の三文字が、要所要所に点々と記されていたことぐらいだ
おた
美力問題2(水の東西)
()の文章を読んで、 後の問いに答えよ。
十近代のヨーロッパの教科書では、こんな簡略は考えられない。第一、生花の素材になる花や葉や木の枝は、一つと
して同じ形をしているわけがない。とても画かれたものと同じ形のものを求めようとする方が無理である。そこでも
しヨーロッパ方式をやるとすれば、その千変万化を 蒐 集 し、分類し、体系づけるという作業から始まることになる
だろう。そういう典型的な例を、僕は和声の教科書でよく知っている。
L小けれども、母の目には、上述した程度の教科書が結構歌い出すというふうであった。一見、それは驚くべきことだ
ったが、母にとってはあたりまえで、いうまでもない、教科書を見るまえに、形において千変万化の素材を選択し、
整え、配することによって、バラバラなものがびしりと一体になる様を、先人たちの生花に実感し、またその秘訣を、
手をとられて体験ずみなのである。すなわち、日本の修業方式は、体験がまずさきで、教科書はそれを補足する役割
に置かれている。当然、メモ程度のもので、こと足りるというわけだ。
6日本古来の音楽にも、これと同じことがいえるだろう。もともと「間」とか「節まわし」とか、そういう微妙なも
のは、到底ヨーロッパ式の記譜法で捉えられるわけのものではない。今日の三絃用の記譜法も、便法としての意味を一
こえるものではなく、依然師匠と差し向いで、その指や音の動きを、弟子は目と耳とで心得ていくのが本来である。
この体当り的な習得法を、職人たちは「盗む」という。親方はロでは教えてくれないから||というのは、親方自
身もそうして覚えてきたのだから親方の仕事からその技を盗むのである。「盗む」という言葉が、これほど鮮やか
な心情を表わす例を、僕はほかに知らない。
cそれからみると、ヨーロッパ方式 は実に懇切丁寧である。体系化されているから、生徒は芸心とかかわりなく、習
得に熱心なかぎり体系に通じることだけは保証され、教師もまた、巨匠名匠たらずとも、教科書を「解説」する役且
が果たせさえすれば、教師としての資格をもつ。そしてこの相違は、おのずから日本とヨーロッパの芸術のありよう
をかえていった。たとえば、日本にはテクニシャンは生れないが、ョーロッパにはテクニシャンを生む土壌がある。
そしてまた、日本は[A ]という 絶 に結ばれて、「伝承」の中に自らの形成を見出してきたが、ヨーロッパでは、
[B]を追ってその拡大や、破壊を企てることが出来た。
たが、それ故、どっちが本当でどっちが嘘というわけではあるまい。大切なのはむしろ、ヨーロッパにおいても、
少くとも巨匠たちは、根本の態度においてつねに体験的であったということの方である。
った。
*和声I和声法という法則に基づく和音連結
*1三線=三番線。
『日本の耳』(岩波新書)小倉朗(一九七七年,岩波書店)
開一修線1 「この態度」とは、どのような態度か。十五字以内
n6の
問二 傍線2『千変万化」を、文中での意味に注意して「千ロ万ロ」という形の別の四字熟語に言い換えよ。
の形をもつ四字熟語を一つ答えよ。
開三傍線3「『歌い出す」のここでの意味として最も適切なものを次の中から一つ選び、記号で答えよ。
教本としての用をなす。
勝手なことをする。
リラックスさせる。
。 真実とは異なる内容を語る。
開四 傍線4「メモ程度のもの」とあるが、その様子を具体的に述べた一文を探し、初めの五字を抜き出せ。
囲五傍線5「盗む」とあるが、文中ではどうすることか。「微妙」という言葉を用いて四十字以内で説明せよ。
開六 線6「巨匠名匠」、傍線7「テクニシャン」とあるが、これらの意味として最も適切なものを次の中からそれ
ぞれ一つずつ選び、記号で答えよ。
芸に奥義があることを認めず、技能も未熟な人。
の芸道の修練を通して、立派な人格になった人。
内面的な芸術性は不明確だが、技能が優れている人。
芸の極意を会得し、技能も優れている人。
芸道の奥義を知っているが、技能が未熟な人
問七 [ A ]·[ B ]に入る二字の熟語を、文中からそれぞれ抜き出せ。
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