✨ ベストアンサー ✨
まず筆者は、「場所」と「建築」が幸福な関係を結んでいる状態を理想としています。これを本文では「自然(な建築)」と呼んでいます。
ここでいう「場所」は景色や見た目(景観)の話ではなく、もっと具体的でリアルな存在とされています。恐らくその土地に固有の生態系や、実際に住んでから分かるような周囲との関係も内包したような意味合いなのかと。
一つ例を挙げるならば、法隆寺の五重塔は地震で倒壊した記録がありません。これは五重塔の中心の柱が比較的緩く固定されており、地震の際には塔全体が蛇のように左右に揺れて、地震の衝撃を逸らしてしまうためです。地震の多い日本という「場所」に合わせて、五重塔が「建築」されたためと言えるでしょう。
しかし人間はつい「見た目」にこだわってしまうもので、自然な建築、自然な場所と聞いた時、イメージするのはその見た目ばかりです。自然と調和した建築と銘打たれるものであっても、実際は建物の見た目が周りの風景にマッチしてるだけ、ということもある訳です。筆者はこうした場所と建築の関係を「見た目ばかりで中身がない」と非難しています。
筆者はこうした見た目へのこだわり、それを重視する社会風潮を指して「表象」に過ぎないと否定し、本当に大切な部分を「存在」と定義しています。「場所」に対応した「建築」を生産することが、人間の豊かさに繋がると結論していますね。またそうして生産された建築は、自然な建築になると述べてもいます。
説明下手で申し訳ありません。参考になれば幸いです。