8 恒等式 -
(ア) 恒等式 4+7x3-32-23-14
=a+bx+cx(x-1)+dx(x-1)(x-2)+ex(x-1)(x-2)(x-3)
が成り立つとき, 定数ae の値を求めよ.
(九州産大・情報科学, 工)
(イ) 次の式がxについての恒等式になるように,定数a, b, c の値を定めなさい。
x3+2x2+1=(x-1)+α(x-1)2+6(x-1)+c
( 流通科学大)
(ウ) x+y=1を満たすx, yについて,ax2+bxy+cy2=1が常に成り立つように a, b, c を定めよ.
(龍谷大・理工(推薦))
係数比較法と数値代入法 多項式f(x) g(x)について, f (x)=g(x) が恒等式になる条件を
とらえる主な方法は,次の①と②の2つである.
1 f(x)とg(x)の同じ次数の項の係数がすべて等しい.
② f(x), g(x) の (見かけの) 次数の高い方をn次式とするとき,
異なる n+1個の値に対して,f(x)=g() が成り立つ.
x-pで展開 (イ)の右辺を 「x-1について展開した式」 というが, どんな多項式も につい
て展開した式として表すことができる. この形にすれば (x-p)2で割った余りなどがすぐに分かる.
(イ)を右辺の形にするには, 左辺の各項を,r={(x-1) +1}などとして展開すればよい.
等式の条件 1文字を消去するのが原則である(本シリーズ 「数Ⅰ」 p.16).
解答豐
(ア) 与式の両辺にx=0を代入して,a=-14. αを移項し両辺をxで割って,
x3+7x2-3x-23
=b+c(x-1)+d(x-1)(x-2)+e(x-1)(x-2)(x-3)
両辺に x=1,2,3,0を代入して,
-18=6,7=b+c,58= 6+2c+2d, -23=b-c+2d-6e
b=-18,c=25, d=13, e=1
(イ)x+2x2+1={(x-1)+1}3+2{(x-1)+1}2+1
={(x-1)+3(x-1)2+3(x-1)+1}+2{(x-1)2+2(x-1)+1}+1
=(x-1)+5(x-1)2+7 (x-1)+4 (α=5,b=7,c=4)
(ウ) y=1-xであるから, ax2+bx (1-x)+c(1-x)2=1
これがェによらず成り立つから,r= 0, 1, -1 を代入して,
c=1, a=1, a-26+4c=1 .. a=1,c=1,6=2
注 (ア) ①x=1を代入して♭を求め, bを左辺に移項し両辺をx-1
で割る'代入'と '割り算’を繰り返して求めることもできる.
(イ)与式にx=1を代入し,c=4. 両辺をxで微分して,
3x2+4x=3(x-1)2+2a(x-1)+b.x=1を代入し, 6=7. (以下略)
・①
多項式の恒等式が両辺ともにェ
を因数に持てば, 両辺をェで割っ
た式も恒等式.
e=1であることは、 元の式の両
辺のの係数を比べることでも
分かる.このような考察をして
ミスを防ごう.
← (x+y)²=1となる.
次にx=2を代入してcを求め,c
を移項して2で割る.
←代入と微分"を繰り返して
求めることもできる.
波調