次の文章を読み、 問1~問4に答えよ。
たとえば、水の中に1滴のインクを垂らすと インクの粒子は濃度の高い方から低い方に移
動し,やがて水全体が色づく。このように、粒子が均一に分布するように散らばっていく現象
を1
移動することを2 という。膜はその透過性によって3と4に分類できる。濃度
の異なる溶液が 3 を介して接した場合、濃度の低い方から高い方に溶媒 (水) が移動する。
移動する水の量は溶液の濃度差(=浸透圧の差)が大きいほど多くなる。 2つの溶液が3
を介して接したときに、互いに浸透圧の等しい溶液を等張液より浸透圧の5 溶液を低
張液より浸透圧の 6 溶液を高張液という。
(a)
植物細胞の場合,その浸透圧は細胞質と細胞壁の状態
を目安にすることができるが,細胞壁をもたない単細胞
(b)
生物や動物細胞の場合、同様の方法で浸透圧を測定するこ
とは不可能である。 動物細胞のうち、赤血球であれば次に
示すような遠心分離機を用いた実験から浸透圧を推定する
ことが可能である。 なお, 遠心分離機とは, 液体試料を高
速で回転させ, 遠心力によって液体中の粒子を沈降させる
装置であり, 血液をある条件で遠心分離すると血液中の有
形成分が図1のように沈降する。 ここでは, 遠心分離後の
赤血球層 白血球層. 血小板層中の血しょう (血漿)の体
積は無視できるものとする。
実験
手順① さまざまな濃度の食塩水を準備しておく。
手順② 血液を採取し, 毛細管 (ガラス製の細い管) に入れたものを多数準備する。
手順③ 毛細管を遠心分離機で12,000回転/分の速さで5分間回転させ、赤血球層の高さを読
み取る。
手順④ 毛細管から血しょうを除去し、手順①で準備した食塩水のうちの1つを入れ、血球と
よく混ぜてしばらく放置する。
手順⑤ 再び毛細管を遠心分離機で12,000回転/分の速さで5分間回転させ、赤血球層の高さ
を読み取る。
膜を介して濃度の異なる溶液が接した場合に,膜を通過して物質が
という。また,
毛細管
遠心分離
図 1
←血しょう
血小板
←白血球
←赤血球