(a)
生物の形態は,
響する場合がある。
両生類の一種であるエゾサンショウウオの幼生には、環境の変化によって正常な幼生と比べて
顎の幅が広く攻撃性の高い形態をもつ個体が出現することが知られており,この形態をもつ個体
る。 しかし、場合によっては生物の形態決定において遺伝子型が許容的で,
あご
は頭でっかちとよばれる。 頭でっかちという形態がどのような環境因子によって誘導されるのか
B
条件 A
条件B
条件 C
条件 D
個体発生を通じて発現し、多くの場合その形態決定に関わるのは遺伝子であ
環境が大きく影
を調べるため、次の実験 1~3を行った。
実験1 条件の同じ水槽を4つ用意し, 一緒に飼育するエゾサンショウウオの幼生の密度と餌
となるエゾアカガエルの幼生 (オタマジャクシ) の密度を、表1の条件 A~Dのようにして飼
育して頭でっかち出現率を調べたところ, 図2の結果が得られた。
条件E
条件F
条件 G
表 1
エゾサンショウ
ウオの幼生 (密度)
10
30
20
10
サイズ大
エゾアカガエル
の幼生 ( 密度)
0
0
0
8
10
表 2
エゾアカガエルの
幼生(密度)
20
サイズ小
0
8
頭でっかち出現率 (相対値)
0
条件A 条件B 条件C条件D
469 図2
実験2 条件の同じ水槽を3つ用意し,それぞれエゾサンショウウオの幼生を8匹ずつ加え,さ
らに餌となるエゾアカガエルの幼生のサイズが大きいものと小さいものを、表2の条件E ~
Gに示す密度になるようにし, 一緒に飼育して頭でっかち出現率を調べたところ、図3の結
果が得られた。
0.5-
頭でっかち出現率(相対値)
0.4-
0.3-
0.2-
0.1-
20.5
0.4-
ち 0.3
0.2-
(b)
0.1
ZBERF1-Z1F4-02
0
条件E 条件F 条件G
図 3