Mu R²
I-CO
AJURSADE
I-B と同じイオンエンジンを搭載した全質
量 MR [kg] の探査機 Xが地球の重心を中
心とした半径L [m] の円軌道A 上を等速
で運動しており, A を一周する時間は地球
の自転周期T [s] に等しい。 イオンエンジ
ンの噴射により, Xを地球の重心を中心と
した半径10L [m]の円軌道B上に乗せる
過程を考える。 AとBは同一平面内にある。
簡単のため, Xの運動に対し, 月や太陽の
重力の影響は無視できるものとする。 地球
の半径をR [m], 地上における重力加速度
12
の大きさをg 〔m/s2] とする。 このとき, R, T, g を用いてLは
[m]と表せる。無限遠における位置エネルギーをゼロとしたとき, 軌道A,
軌道B上を等速円運動する質量1kg の小物体の力学的エネルギーの大きさ
は,それぞれg, R, L を用いて 13 (J), 14
る。図4のように, 軌道A上で等速円運動を行う X を, X の進む向きに
[J] と表せ
対して逆向きにイオンを噴射し続けることにより、 徐々にその軌道半径を
増大させながら軌道Bに乗せる。 この間, Xのイオンエンジンの仕事率の
大きさP〔W〕は一定であり, Xに搭載されたイオンの質量の変化はXの
全質量MRに比べて十分小さい。 これらから イオンの噴射によりXが
軌道A を離れ軌道B に乗るまでに要する時間tAB [8] はL, P を用いて
15 xgR2MR と表せる。 R = 6.4 x 106m, g =
L=4.2×107m, P=1.0×103W, M=7.0×102kgの時, 有効数字1
= 9.8m/s2,
tAB =
桁でtAB=
[8] と表せる。
図4 X の軌道の概略
JB