のを1つ選びなさい。
問題55 以下の文中のカッコ内に入る語の組み合わせとして、正しいも
刑法総論
(a)は、(b)を行う時点において同時に存在しなければ
ならない。 それでは,酒や薬物により自分を (c)の状態にして,
その状態で犯罪の結果を引き起こす場合にはどうなるであろうか。たし
かに、先行する飲酒行為や薬物の使用行為(原因行為)の時点では完全
(a)はあるが, 現実に結果を引き起こす行為 (結果行為)の時
点では(a)はないから、刑法39条1項の適用を認めて不処罰とせ
ざるをえないことになりそうである。 しかし,学説は、(d)の段
階では完全な (a ) があったことを根拠として刑法39条の適用を否
定しようとする。このような考え方のことを「原因において自由な行為
の理論」という。
1. a = 責任能力
2. a = 責任能力
3. b = 実行行為
4.c=責任無能力
b=予備行為
c = 限定責任能力
d=原因行為
d = 結果行為
解説 本間は, 原因において自由な行為の理論に関する問題である。
a には 「責任能力」 b には 「実行行為」 c には 「責任無能力」 には「原
因行為」 が入る。 したがって, 肢3が正解となる。 原因において自由な行為
の理論に関しては、責任能力は実行行為を行う時点において同時に存在しな
ければならないとする「責任能力と実行行為の同時存在の原則」の例外を認
めるべきかどうか,いかなる根拠に基づいて例外を認めることができるかを
めぐり見解の対立があり、 異なった理論構成が提案されている。