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変化量をxで置いて計算するのは自然な方法です。しかし、緩衝液の問題ではうまくいきません。その理由をいくつか挙げます。
①二次方程式が出てくるが解く際に用いる近似で、値がずれる。
近似のもと、x=1.0×10^-3と求まります。
これはこの有効数字内で正しいです。
しかし、求めたい値は、これとかなり近い値である1.002×10^3との差です。
差を取ったあとの数字に、xの小数第2位とかの無視した誤差が影響するのがわかりますか。ですから差は2×10^5にはなりません。
②H2O↔H+ + OH- の平衡もある。
例え計算機などを使ってxをかなり正確に求めたとしても、水の平衡でH+がH2Oに変わる分もあるので、結局正しくない。
(水の平衡も考えるとxの3次方程式になります。これを計算機で解くと完全に正しい解答が得られます。)
では、模範解答はどうやっているでしょうか。
初めからH+と酢酸イオンがx=1.0×10^-3だけ平衡によって消費されて酢酸分子がx=1.0×10^-3だけ増加するという風に始まりますよね。
一般にほとんどの模範解答ではxを二次方程式で解くことはせずに、はじめから決めうちします。これは緩衝液は弱酸(弱塩基)を用いていて、平衡定数が非常に小さく、どんな場合でも二次方程式を解くとx=平衡前の全H+の量、となるからです。
xは有効数字2桁では正しいので、反応後の酢酸分子の量5.0×10^-3+x=6.0×10^-3や反応後の酢酸イオンの量5.0×10^-3-x=4.0×10^-3も有効数字2桁までで正しいです。H+だけが誤差たっぷりです。なので再び酢酸の電離の数式
Ka=[酢酸イオン][H+]/[酢酸]
の式に、正しく求まった酢酸イオンの酢酸分子の量を入れて[H+]を求めます。
感動しました
なるほど…どうりで他の問題と同じように出来なかったわけですね!!
仰る通り模範解答は初めから決め打ちする方法をとっていたのですが、それについても疑問に思ってたんです!!自分の間違いだけでなく解答の解説までしていただき本当にありがとうございましたm(*_ _)m