回答

電気分解の問題では特に各極での反応式を書かせる問題が多く出題されます。

最終的に反応式がしっかり書けるように一緒に考えていきましょう。

基本知識① 「金属は陽性元素」

電極には金属が用いられていますね(非金属でも導電性の高いCが用いられることもありますが...)。
金属というのは陽性元素といって必ず陽イオンにしかなりません。というか、電子を捨ててプラスに帯電したくてしたくてたまらない元素たちです。
ですからCu²⁻などは絶対にあり得ない。ということを覚えておいてください。

ところで、電気分解って一体どんなことをするのか。というと...
電気分解の図って電池の図に非常に似てますね。電解質が溶けた水溶液に金属板を2枚セットして銅線で繋いであります。
ただし、電池と電気分解で違うのがこの金属板です。電池の場合は異なる金属板を使用してイオン化傾向の差を生み出しています。
電気分解では同じ金属板ですからイオン化傾向に差はできません。ところが、この電極板に電池を使って強制的に電子の流れを作っていきます。そうすると両極で強制的に酸化還元反応が起こります。これが電気分解です。

では...
電気分解は2つの極で片方は電子を強制的に奪われ、もう片方は強制的に電子を渡されますよね。なので放っておくと電子を奪われる方はマイナスに帯電していき、渡される方はプラスに帯電していきますよね。(それぞれ陰極、陽極)

さて、その電子を一体どのように処理していくか。ここがポイントになっていきます。

【陽極(電子を奪われる電極)】
陽極では何がなんでも電子を渡さなければいけません。
ここで、喜びの声が聞こえてきませんか?
そう、電極自身ですよね。金属は電子を捨ててプラスに帯電するのが人生の喜び(坂田薫コーチの名言)。
だから真っ先に電子を渡してくれるのが電極自身

でも、実は渡してくれないヤツらもいる...
それがPt, Au, C
こいつらはイオン化傾向が非常に小さい。イオン化傾向というのはイオンになりたい順に書いたものだから、これら3つの物質は全くイオンになんかなりたくないんだよね。だからコイツらからは電子はもらえない。

そうなったら、、、

電解質が溶けた水溶液から電子をもらう。
電解質だから水に溶けてイオンに電離している。その中でもプラス極に寄ってきてくれるのは陰イオン。
その陰イオンから電子をもらってくればいいんじゃないかな。

例えばOH⁻がいたとしたら...OH⁻はO₂に変わるから

2OH⁻→O₂+2H⁺+4e⁻

でも、OH⁻が水溶液にあるってことは塩基性。塩基性に酸性のH⁺なんか存在できない。だったらH⁺とOH⁻を結びつけて水を作ればいい。

4OH⁻→O₂+2H₂O+4e⁻

こんな感じで電解質にいる陰イオンが電子を渡してくれるんだね。
でも、やっぱり渡してくれないヤツらもいる。
SO₄²⁻, NO₃⁻
コイツらは結合が非常に強く、安定なためにそう簡単に電子を渡してはくれない。
だからコイツらは電子を渡せない。

ってなったら最終手段。水
水溶液中には水がたくさん含まれている。コイツらが分解されて電子を出してくれる。

水H₂OはとりあえずH⁺とOH⁻として考えて後から水に直してみよう。

2OH⁻→O₂+2H⁺+4e⁻

2OH⁻をH₂Oにするために2H⁺を足す。

2H₂O→O₂+4H⁺+4e⁻

陽極での反応まとめ
1. 陽極の電極が分解(Pt, Au, Cは2へ)
2. 電解質の陰イオンが反応(SO₄²⁻, NO₃⁻は3へ)
3. 最終手段、水が分解

【陰極での反応】
陰極は電子を何がなんでも受け取らないといけない。
でも、電極自身は金属で陽性元素なんだから受け取ることはできない。
だったら電解質のイオンが行く。
マイナス極に寄ってくるイオンは陽イオン
例えばCu²⁺だったら
Cu²⁺+2e⁻→Cu
みたいに電子を受け取って金属として析出してくる。
でも、やっぱり受け取ってくれないイジワルくんもいるんだね。
それがイオン化列の上6つ!
Li K Ca Na Mg Al Zn Fe Ni Sn Pb......
これがイオン化列だけども、AlとZnの間に境界線が引けて、Al以上の元素(軽金属元素)は非常にイオン化傾向が強いためにイオンとしてとどまる。つまり、電子を受け取ってくれない。

じゃあ、どうするか。
もう水が行くしかないね。
さっきと同じ手順で今度は陽イオンであるH⁺で考えると

2H₂O+2e⁻→H₂+2OH⁻となる。

陰極での反応まとめ
1. 電解質の陰イオンが反応(Li K Ca Na Mg Alは2へ)
2. 最終手段、水が分解

たく

ありがとうございます

この回答にコメントする
疑問は解決しましたか?

この質問を見ている人は
こちらの質問も見ています😉