問4 次の2は,塩化ナトリウム, 炭酸カルシウム, 二酸化ケイ素に関する性質を
まとめたものである。
表2 塩化ナトリウム, 炭酸カルシウム, 二酸化ケイ素の性質
水への溶解性
塩化ナトリウム
溶ける
炭酸カルシウム
溶けない
二酸化ケイ素
溶けない
塩酸を加えた
ときの反応
反応しない
気体が発生する
反応しない
これらの性質の違いをもとに, 塩化ナトリウム, 炭酸カルシウム, 二酸化ケイ
素の混合物に対して次の操作Ⅰ・Ⅱを行った。
操作Ⅰ 十分な量の水を加えてかき混ぜた後, ろ過によりろ液Aと不溶物を分
離した。
操作Ⅱ 操作 I の不溶物に十分な量の塩酸を加えた後, ろ過によりろ液 B と不
溶物の固体Cに分離した。
これらの操作によって得られたろ液 A, ろ液 B, 固体Cに関する記述として
誤りを含むものはどれか。 最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。
5
①ろ液Aに硝酸銀水溶液を加えると, 白色沈殿が生じる。
②液Bは,橙赤色の炎色反応を示す。
③ろ液Bを加熱して水を蒸発させると, 炭酸カルシウムが得られる。
④ 固体 C は、二酸化ケイ素である。
問4 物質の分離
(極性溶媒)
4
極性分子
無極性分子
溶けやすい
溶けにくい
溶けにくい
溶けやすい
イオンから
なる物質
溶けやすい* 溶けにくい
表2に与えられた性質をもとに,塩化ナトリウム NaCl, 炭酸カ
ルシウム CaCO3, 二酸化ケイ素 SiO2 の混合物に操作Ⅰ・Ⅱを行
うと、次のようになる。
操作Ⅰ NaCl は水に溶けるので,ろ液Aに含まれる。水に溶
けない CaCO と SiO2 は, ろ過によって不溶物として分離され
る。
操作ⅡI 操作Ⅰの不溶物に塩酸(塩化水素 HCI の水溶液)を加
えると, CaCO3 は HCI と反応し、二酸化炭素 CO2 が発生すると
ともに, 塩化カルシウム CaCl2 が生じる。 CaCl2 は水に溶けるの
で,ろ液B には CaCl2 が含まれる。
CaCO3 + 2HCI → CaCl2 + H2O + CO2
一方, SiO2 は塩酸と反応せず不溶物の固体Cとして分離され
る。
操作 I, II をまとめると次のようになる。
* CaCO3, BaSO4, AgClなど水に溶
けにくいものもある。
ろ液A
NaCI 水溶液
NaCl, CaCO3, SiO2
操作 Ⅰ 水を加える
不溶物
CaCO3, SiO2
操作Ⅱ 塩酸を加える
不溶物 (固体 C)
ろ液B
CaCl2 水溶液
SiO2
① 正しい。 ろ液 A は NaCI 水溶液であり,その水溶液には塩
化物イオンCが含まれているので、硝酸銀 AgNO3 水溶液を加
えると, 塩化銀AgCl の白色沈殿が生じる。
Cl + Ag+
←
AgCl
②正しい。 ろ液Bにはカルシウムイオン Ca2+ が含まれてい
るので, 橙赤色の炎色反応を示す。
③誤り。 ろ液B は CaCl2 を含む水溶液であり, 加熱して水
を蒸発させると,固体のCaCl2 が得られ, CaCO3 は得られない。
なお,ろ液Bには,反応せずに残る HCI も含まれているが, HCI
塩素の検出
CI を含む水溶液に AgNO 水溶液を
加えると, AgCl の白色沈殿が生じる。
炎色反応
ある種の元素を含む物質を炎の中に入
れると, 炎が呈色する現象。 成分元素の
確認に用いられる。
Li: 赤, Na: 黄, K: 赤紫, Ca: 橙赤,
Sr: 紅 (深赤), Ba: 黄緑, Cu: 青緑
教えていただきありがとうございました🙇♀️納得しました!!弱酸の塩と強酸が出ると弱塩基遊離反応になるのですね!!ありがとうございました😊