化学
高校生
解決済み

理論化学の問題です。

緑で囲った説明がよく分かりません。
NH4+とNH3が大量に存在するというのはどうして言い切れるのでしょうか?
また、「大量」とはなにを基準に言ってるんですか?

330. アンモニアの電離平衡■アンモニアを水に溶かすと, 次式の電離平衡が成り立つ。 NH3 + H2O NH4++ OH- この電離定数 Kは次式で与えられる。 Kb= [NH4+] [OH-] [NH3] =1.7×10-5mol/L 0.20mol/Lのアンモニア水 50mLと0.10mol/Lの塩酸x 〔mL〕を混合し,水酸化物イ オン濃度が [OH-]=1.0×105mol/Lになるように溶液を調製した。加えた塩酸の体積 x[mL]の数値を有効数字2桁で求めよ。 (17 東北大)
330. アンモニアの電離平衡 解答 63mL 解説 アンモニア水と塩酸を混合すると、 次の中和がおこる。 NH3 + HCI → NH4CI (水溶液中では NH4 + と CI-に完全電離 混合後の水溶液の [OH-] が1.0×10-mol/L ([H+]=1.0×10mol/L, pH9.0) であり、 水溶液が塩基性を示すことから, アンモニアの方が塩 化水素よりも物質量が大きいことがわかる。 また, 混合後はアンモニア と塩化アンモニウムの混合溶液, すなわち弱塩基とその塩の混合溶液で あるため、緩衝液であると考えられる。 混合した瞬間にアンモニアと塩化水素の中和が完了し, その後に平衡に 達したものとして考える。 中和終了直後のアンモニアのモル濃度を 物イオンのモル濃度をy [mol/L] とすると, 平衡状態における各成分の c [mol/L], 塩化アンモニウムのモル濃度をc' [mol/L], 平衡時の水酸化 モル濃度は次のようになる。 なお, 中和によって生じた塩化アンモニウ ムは100%電離したものとする。 NH3 + H2O NH+ + OH- はじめ C c' [mol/L] 平衡時 c-y c'+y y [mol/L] アンモニアの電離の電離定数 K は次のように表される。 [NHα+] [OH-] Kb= =1.7×10-5mol/L [NH3] 0.20mol/L アンモニア水 溶液 50mLに0.10mol/L 塩酸を加えていったとき の滴定曲線は次のように なる。 pH 17 X 200 0 63 100 加えた塩酸の体積 [mL] 塩酸を63mL加えた地 点をXとすると,図より 緩衝作用を示す領域であ ることがわかる。 ここへ、各モル濃度を代入する。 このとき, NH4+が大量に存在するこ とによって NH3 の電離は阻害され, 同時に NH3 が大量に存在すること によって NH4+がNH3 にもどる反応も阻害されることから,c,dに比 べては非常に小さい値である。 したがって, c-y=c, c'+y=c' と近 似でき,次の関係が得られる。 Kb=- (c'+y) y = y ...① c-y ここで,アンモニアのはじめのモル濃度c [mol/L] は,加えたアンモニ アから塩酸x[mL] と反応した分を差し引いて次のように表される。 0.20mol/L× 50 1000 L-0.10 mol/LX- -[L] 1000 x C= 50+x -[L] 1000 また,アンモニウムイオンのはじめのモル濃度c' [mol/L] は加えたアン モニアのうち,塩酸と反応した分であり,次のように表される。 x 0.10 mol/LX. 1000 50+x ・[L] 1000 ・[L] C,c′と,Kb,y(=[OH-])の数値を①式に代入すると, (0.10 .10x x mol 1000 1.7×105mol/L= (0.20× 50 1000 x=62.9mL ×1.0×10 -5 5mol/L x mol -0.10× 1000 2
理論化学 電離平衡

回答

✨ ベストアンサー ✨

以下、だいたいこんな感じかなと。イメージです。

「大量」とはなにを基準に言ってるんですか?
>図でいうと、yの量(mol)に比べているのかと。

NH4+とNH3が大量に存在するというのはどうして言い切れるのでしょうか?
>減る左辺yと増える右辺yは近似でそれぞれc,c’になっています。これは、yがほとんど無く、NH4+とNH3が大量に存在することを意味しています。

まず、できた塩化アンモニウム水溶液は中和し、緩衝液になっています。混合後はpH9より、水溶液は塩基性だから、アンモニアが余っている状態です。だから、アンモニアは大量にあります。アンモニアは弱塩基で電離しにくいから。中和でできた塩の塩化アンモニウムは完全電離100%しますから、アンモニウムイオンもたくさんあります。だから大量にあります。

中和分でできたアンモニウムイオンc’と中和仕切れずに残っているアンモニアcがあります。どちらも大量にあるため、ルシャトリエの原理で片方を増やすと和らげる方に平衡移動しようとしますが、どちらもたくさんあるから移動しにくい。これを阻害といっているのかと。

すると、左辺の減少するyと右辺の増加するyはほとんど減少増加しないため、近似しc,c’で計算することになります。

最初いくらあったかはc,c’、変化後にいくらになったかはc-y,c’+yですが、このyがc,c’より100倍以上なら大量なので、yは近似されます。

大量はどのくらいというより、減ったり増えたりするyに比べてめちゃくちゃたくさんあるから大量という表現を使っているのかと。

大量は問題中にはありませんが、緩衝作用から判断するとそんな感じかなと🙇

ve

ご丁寧な回答ありがとうございます。
確かに、Yと比べているとすると「大量」も納得できるような気がします!

重ねて質問なのですが、
加えた塩化水素の物質量がわからない状態では中和によって生成されたNH4Clの物質量もわからず、NH4+が大量にあると言っていいのか疑問に感じてしまいます。
(極論、塩化水素がごく微量だったらNH4+も微量なのでは...??)
それとも、化学的センスが備わった人なら、『この量の塩基にはこのくらいの酸を加えたらph=9になるかな〜〜』というのがなんとなく分かるのでしょうか、、、??

加えた塩化水素の物質量がわからない状態では中和によって生成されたNH4Clの物質量もわからず、NH4+が大量にあると言っていいのか疑問に感じてしまいます。
(極論、塩化水素がごく微量だったらNH4+も微量なのでは...??)
>そう思いたい気持ちはわかりますが、完全電離だから、できたNH4+はたくさんあると考えます。

それとも、化学的センスが備わった人なら、『この量の塩基にはこのくらいの酸を加えたらph=9になるかな〜〜』というのがなんとなく分かるのでしょうか、、、??
>緩衝液でアルカリ性なら、NH3もNH4+もたくさんあると思って計算するだけです。近似できるなら、その辺はあまり難しく考えずにそんなもんかとやれば良いのかと🙇

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