現代文
高校生

わからないぐらいがちょうどいい
(最果 夕ヒ:著)
この文章 筆者は何を言いいたいのかが明確にはわかりません。
丁寧に教えていただけないでしょうか🙇‍♀️

いが ち ょ うど い い わからないぐ どんなにシェアされたって、私が聞きたいのはそれじゃない、と思う。SNSで教えてもら みに会いたいとも思わない。SNSはつながるだけで「友達」だなんて言うけれど、でも他人 がかき集めた「好きなもの」を見ただけで、その人のことを知ったつもりになるわけに、いか った好きな食べ物、好きな音楽、そんなものを知ったところで私はまだまだきみを知らず、き ないんだ。失礼だろう。 共有したいっていう感情が、ずっとずっと邪魔だった。わからないものは怖くて、みんなが」 避けてしまうから、だから「わかる人だよ」と伝えるためにも、たくさんの自分の事柄を他人」 と共有しなくちゃいけない。みんなの知っているものが私は好きで、みんなの知っているよう」 な友達がいて、みんなの知っているような服を着る。そうやって自分をデフォルメして、他人」 に伝える、理解してもらうという、そういう作業が気持ち悪くて仕方がない。自分のことを伝 えているつもりで、実際には自分をどんどん打ち消して、もうまったく別物にしてしまう。他 人と同じふりをしないと他人といられないのなら、それは、その人はそこにいる必要がないっ てことだ。そんな生き方は悲しすぎる。 言葉は簡単に、すべてを簡略化して、まったく違うものにしてしまう。クラスメイトと毎日 昼食を食べて、音楽の話をするようになった、それだけでよかったのに、その関係性に「親 友」と名付けてしまう。それだけで、きっとなにかが失われていた。自分だけの感情や関係を、 他人に伝えるため、共有するため、たった一つの不思議な形をしていたそれらを、既存の概念」 心押し込んで、余計なものを削り落とした。そうでもしないと他人に伝えられないから。伝え られなかったら、「意味不明な子」って切り捨てられちゃうから。そう必死になっていた。け れど、実際のところ切り捨てたそれらは本当に(「余計なもの」だったのか? 懸命に他人にわ かってもらおうとしている一方で、自分の存在を否定し続けていた。そして、そうやって捨て一 てきたものを、人は永遠に思い出せない。
言葉は、気持ちや事実を伝えるために生まれた道具だ。人によってちょっとす 道 もい 危なっか れ大切な道具。とても、 簡略化して 互いに理解できる形に変える。そういう、とても たけで、簡単にいろんなことが切り捨てられていく。その人だけの、さ 9 さいなこと、あいまいなことが、四捨五入みたいに消えていくんだ。どこまでも意味と紐付い ているからこそ、使うだけで、言葉はその人だけの感情を押しつぶして少しずつ消していく。 n そして、それでも私は、言葉を書く仕事をしている。 私は詩人です。小説や新聞の言葉が、物語や情報を伝えるために書かれるのに対し、詩には そうした目的がない。そして、だからこそ私は、言葉によって切り捨てられてきたものを、詩 の言葉でならすくいだせると信じている。詩の言葉は、理解されることを必要としていない。 人によっては意味不明に見えるだろうけれど、でも、だからこそその人にしか出てこない言葉 がそのまま、生き延びている。私はそうした言葉がかわいくて仕方がなかった。わからない言 葉であればあるほど、その人はその人だけの人生を生きてきたんだと、はっきりと知ることが」 できるから。そうした言葉はきっと、詩人でなくても、詩という形でなくても、誰にだって眠」 っている。共有だとか共感だとかそんなことを忘れてしまえば、きっと溢れてくるはずで、だ から私は、そんな言葉がもっとたくさん聞きたいと思う。いろんな人と、何言ってるのかわか んないよ、って笑ってみたい。人が、自分とはまったく違う人生を過ごしてきたんだというこ とを、大切にしていたい。100%の理解なんていらないし、したくもないんだ。きっと人は、 ちょっとわからないぐらいがちょうどいい。 副S>() したのだろうか。 くらに」「空が分裂する」「夜空はいつでも最高密度の青色だ」、小説に「星か獣になる季節」などがある。 自分をデフォルメ」(八·9)したことはあるか。あるとしたら、どのように、なぜ、「デフォルメ」 2 「きっと人は、ちょっとわからないぐらいがちょうどいい。」(I.4)という筆者の考えについて 最果タヒ 一九八六(昭和G)年~。詩人、小説家。兵庫県生まれ。二〇○四年にインターネット上で詩作を始め、 1100八(平成2)年、詩集「グッドモーニング」で中原中也賞を受賞。主な詩集に「死んでしまう系のぼ 本文は「きみの言い訳は最高の芸術」(二〇1九年刊)によった。 どう思うか、話し合ってみよう。
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