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よろしい。わからせおじさんである小生頑張ります!
さて、酸化還元反応における酸化剤還元剤の判別方法ですね。少し寄り道をすると、酸化還元反応とは一言でいうと『『電子を受け渡す』』反応です。(これ、チョ~~~大事です。)例えば以下の反応式
HCl+H₂O₂→2H₂O+2Cl₂
の反応物HClに含まれるH or Cl、H₂O₂に含まれるH or O の4つの原子のどれかは電子をもらい、どれかは電子をあげたことになりますね。それを調べるのが酸化数と呼ばれるものです。(ちなみに酸化数とは「原子がどのくらい帯電しているか」を相対的な数値で表したもので、単体を±0とし、電子を強く引きつけていれば負、電子が遠ざかっていれば正の値を示します。)
酸化数の定義に「電子eーやイオンの価数Fe²+はそのまま酸化数として数える(例:Fe²+=+2)」というものがあります。このことから電子eーは-1として扱います。つまり、電子eーを受け渡しするということは『もらった原子の酸化数は-1、あげた原子の酸化数は+1だけ変化する』ということになります。この酸化数が増加した原子を”酸化された”減少した原子を”還元された”といいます。(これはそのように定義したものですので疑問を持ってもいけませんし、また、覚えなければいけません。)
ここまで理解できれば分かったも同然です。上の式の反応物の各原子の酸化数の変化を考えていきましょう。
①HClに含まれるHの酸化数の変化
HCl→H₂O よって、+1→+1 なので酸化数に変化無し(つまり電子をあげてもいないし受け取ってもいない)
②HClに含まれるClの酸化数の変化
HCl→Cl₂ よって、ー1→±0 なので酸化数が増加している(=電子eーをあげた=ー1を相手にあげた=ー1がでていったことで自分は+1されたことが分かる)で「酸化されている」
③H₂O₂に含まれるHの酸化数の変化
H₂O₂→H₂O よって、+1→+1 なので酸化数に変化無し(つまり電子をあげてもいないし受け取ってもいない)
④H₂O₂に含まれるOの酸化数の変化
H₂O₂→H₂O よって、ー1→-2 なので酸化数が減少していることから「還元されている」 となります。
そして注目してほしいのは①の部分「(=電子eーをあげた=ー1を相手にあげた=ー1がでていったことで自分は+1された)」の記述です。
Cl原子自身は自分が酸化された(電子を失った)際に、相手を還元させ(酸化数を減少させ)ています。このとき、酸化剤還元剤の名前を考える時に「どっちを基準にすればいいのか」という問題が上がりました。このとき酸化数の考案者(ちなみに、考案者はファラデーの電磁誘導で有名なあのファラデーです。)は『相手にさせた方』を採用しました。こういった背景があるんですね。(漂白剤も相手を漂白させていますよね?それと似たようなものです。)このことから、上述の反応式で酸化されたCl原子を含む塩化水素HClが相手を還元させた還元剤となります。
最後になりますが、酸化剤還元剤の名前は重要ではありません。本当に大事なのは「電子の受け渡し」であり、「名前を通してその物質は電子をあげたのかもらったのか」を考えることが重要です。そのことを忘れないでください。頑張れ高校生!
とても詳しく解説して頂きありがとうございます!
だいぶざっくりとした質問だったの答えて頂けて...🥲恐縮です。
読んでいるうちにだいぶ理解することができました。また、ちゃんと時間をとって酸化還元反応をマスターする際に参考にさせて頂きますm(_ _)m