理科
中学生
解決済み

天動説と地動説を唱えた人物について知りたいです。
調べてもいろんな人物が出てきて…誰が本当に唱えたんですか?
教えてください。

理科 天体 天動説 地動説

回答

✨ ベストアンサー ✨

明けましておめでとうございます。

天動説・地動説ともに歴史的経緯がありますから、厳密に誰が、というのは難しいのが実際です。なので、求めていらっしゃるお答えとは異なるかもしれませんが、背景事情を軽くお伝え致します。

元来、天動説というのは直感的にも、或いは宗教的にも考えられて然るべき、自然な感覚でした。そもそも、私たちは「地球が太陽の周りを回っている」という常識(?)を持っているので、地動説を何の抵抗もなく受け入れますが、そのような概念がなかった時代では、寧ろ私たちが住む地球を基準として、「地球の周りを天体が回っている」とするのはある種の必然的な発想であったように思われます。
一方、西洋の宗教観的には「人間も地球も神が作ったもの」ということは疑われない時代であり、ある種「人間中心」「地球中心」という考え方のサポートにもなっていたことは言うまでもないでしょう。

これらの事情としては、アリストテレス辺りの同心天球説とかのような古い天動説もありますが、一般に「天動説」といえば、プトレマイオス(トレミー)が体系的に完成させたものを指します。この概念については後述します。但し、プトレマイオスらの天動説は、決して宗教的信念だけによるものではなく、ある程度の合理的な帰結であることは述べておかなければなりません。

一方、コペルニクスは地動説を提唱します。といいながら、はるか昔から、地動説そのものは提唱されてはいました。ですから、厳密に最初の提唱者はコペルニクスではありません。但し、あまり有名ではないので、コペルニクスの発見とされていることが初等的には多いかもしれません。
これが正当性を認知されていった経緯としては、ティコ・ブラーエという科学者の観測によるものが大きいでしょう。彼の観測データは非常に精密で、彼自身はある種の天動説の立場をとっていましたが、この弟子のケプラーが地動説に賛同し、その後、ガリレオ・ガリレイらも賛同しました(所謂「ガリレオ裁判」などのような迫害があったとされてはいますが)。ケプラーは、それらの観測データから3つの法則があることを見出しました。そして、ニュートンが力学体系を纏めた「古典力学」(あるいはニュートン力学)を形成することに成功した時、ニュートン力学によりケプラーの三法則が示せることとなり、徐々に正当性が認められていった、というのがある種の→

guest

→科学史的な流れであると言えるでしょう。これは、「地球が絶対である」という概念からは反するものでしたから、迫害されていたと言われる理由はそこにありますが、やがて「相対化」への流れが進んでいった、というのはあると思われます。

以下、科学的な話を少し。
まず、天動説が間違っている、というのはよくある誤解ですので、ここで1つ記しておきます。
所謂プトレマイオスの天動説では、「天体は地球の周りを回っている」という立場を取りますから、そのような円軌道を想定することにします。
しかし、地球から見ると、天体は常に一定方向に流れていく訳ではなく、ときどき逆方向に流れていくことがあるのです。これを「逆行」といいます(星座占いなどでも使われることがありますね)。この逆行は従来の天動説では説明出来ませんでしたが、体系的に完成されたものでは、この円軌道にさらに小さな円軌道を、2点で交わるように重ね合わせることで説明します。この小さな円軌道を周転円などと呼ぶことがあります。これで説明できなければさらに終点円に周転円を重ね……としていくと、実は無限に極限をとればこれは現在でも「正しい」のです。ここでいう正しいとは、現実の観測データに即しているという一点だけでの話ですが。

ところが、この「逆行」という現象は、ある種の人間の理性や価値観と矛盾するのです。つまり、当時の(或いは今までずっと)西洋の価値観として、「神は単純な体系で世界を作った(或いは人間が単純な体系を好む)」というのがあります。それは、Newton力学における唯一の因果律たる運動方程式が(初等力学的には)ma=Fというシンプルな式でかけることにもよく表れているでしょう。
「逆行」という現象は、そのような価値観にとっては複雑で、判然としないものでした。「神がそのように作ったのなら、なにかその理由があるはずだ」というのが考え方ですが、それを説明できるだけのモデルがなかった、とでも言うべきでしょう。

コペルニクスやケプラーらが提唱したのは、「同じ現象を、地球ではなく太陽を中心として見ると簡単に現象を表現出来る」ということであり、その意味では天動説も地動説も間違いではないのです。ただ、よりシンプルな体系が好まれる人間の知性としては、地動説がよりシンプルなので、そちらの立場から教えている、というだけの話であると思ってもらえれば、と思います

guest

ですから、相対運動を考えれば天動説は普通に出てくると思ってもらって良いでしょう。

ケプラーが提唱したのは、大まかに次の3法則です
①ある天体Aは、別の天体Bをひとつの焦点とする二次曲線軌道を描く(特に、惑星の場合は楕円軌道)
②Bに対するAの面積速度は、Aの軌道上つねに一定である
③楕円軌道の場合、Bを焦点とする全ての楕円軌道に対し(天体AとCもDも……)、公転周期Tと長半径aに関して
T^2/a^3=4π^2/GM(=一定)
が成り立つ

これらは、高校の物理などでKepler問題として出てくるでしょうから、必要があれば調べてみてください。

結論としては、以下です。
・天動説そのものは歴史的にあった
・天動説を体系的に完成させたので有名な人はプトレマイオス
・地動説そのものも歴史的には劣勢ながら少しはあった
・大々的になった(?)のはコペルニクス、ケプラー、ガリレオ・ガリレイらの影響
・Newton力学(ニュートン)によって、地動説の正当性も認知されていくようになった

といったところでしょうか。

kokoko

丁寧に詳しく教えていただきありがとうございます。
実は自由研究のテーマに自分で選んで調べていたんですよ。
調べてみたら話が複雑で、理解に困ってましたw
毎回毎回ほんっっっっっっとに助かります(´∀`;)
ありがとうございました!!!

guest

自由研究だったのですね!この辺りは、中学では地球科学(地学)として学ぶことも多いようですが、案外宇宙物理学などと密接な関係を持っています。考察、というと大げさかもしれませんが、この「相対化」の流れの先に行き着いたのがアインシュタインの「一般相対性理論」だとでも思ってもらえれば、流れとしては綺麗につながるかな、と思います。難しいですが、頑張ってください!

kokoko

はいっ!
頑張ります!なんかやる気出てきましたー!
ありがとうございました!

この回答にコメントする
疑問は解決しましたか?