解答が複数枚にわかれます。
基礎事故
腎臓に流れた血液は、腎臓の糸球体でろ過され、原尿になります。
その後、原尿は細尿管(尿細管ともいう)を通り、この時、体に必要な水やグルコースなどが再吸収されます。
再吸収されたものは、血液中に戻り、再吸収されなかったものは、尿となり、排出されます。
(3)
血液中に注射されたイヌリンはろ過された後、体には必要ないので、再吸収されません。
すなわち、原尿中(血液中)に含まれるイヌリンはすべて尿に出ていくことになります。
言い換えると、『原尿中のイヌリンの量=尿中のイヌリンの量』ということになりますよね。
問題文より、10分間に生成された尿の量は10mLですよね。また、表より、尿中のイヌリンの
濃度は、12[mg/mL]ですよね。(濃度の単位から尿1mLに対して12mgのイヌリンが含まれ
ていることがわかりますよね)
以上より、10分間に生成された尿中のイヌリンの量[mg]は、12[mg/mL]×10[mL]と表せますよね。
また、今回求める10分間に生成された原尿の量をx[mL]とすると、原尿中のイヌリンの濃度は
0.1[mg/mL]であるから、10分間に生成された原尿中のイヌリンの量[mg]は、0.1[mg/mL]×x[mL]と表せますよね。
『10分間に生成された原尿中のイヌリンの量=10分間に生成された尿中のイヌリンの量』であるから、
0.1[mg/mL]×x[mL] =12[mg/mL]×10[mL]
これを解いてx=1200[mL]
続く
(4)
<10分間における尿素の再吸収量>
尿素は、少し再吸収され、再吸収されなかった尿素が、尿中に排出されます。
すなわち、『再吸収された尿素の量=原尿中の尿素の量-尿中の尿素の量』ですよね。
原尿中の尿素の濃度は0.3mg/mLであり、10分間に生成される原尿の量は1200mL
であるから、原尿中の尿素の量は0.3[mg/mL]×1200[mL]と表せますよね。
また、尿中の尿素の濃度は20mg/mLであり、10分間に生成される尿の量は10mL
であるから、尿中の尿素の量は20[mg/mL]×10[mL]と表せますよね。
以上より、10分間に再吸収された尿素の量[mg]は
0.3[mg/mL]×1200[mL]-20[mg/mL]×10[mL]=160mg
<10分間に再吸収されたナトリウムイオンの量>
原尿中に含まれるナトリウムイオンは、再吸収され、再吸収されなかったナトリウムイオン
が、尿中に排出されます。
すなわち、『再吸収されたナトリウムイオンの量=原尿中のナトリウムイオンの量-尿中のナトリウムイオンの量』ですよね。
原尿中のナトリウムイオン濃度は3.2mg/mLであり、10分間に生成される原尿の量は1200mL
であるから、原尿中のナトリウムイオンの量は3.2[mg/mL]×1200[mL]と表せますよね。
また、尿中のナトリウムイオン濃度は3.4mg/mLであり、10分間に生成される尿の量は10mL
であるから、尿中のナトリウムイオンの量は3.4[mg/mL]×10[mL]と表せますよね。
以上より、10分間に再吸収されたナトリウムイオンの量[mg]は
3.2[mg/mL]×1200[mL]-3.4[mg/mL]×10[mL]=3806mg
分からなければ遠慮なく質問してください
(3)別解
(2)より、尿中でのイヌリンの濃度は血しょうと比べで120倍に濃縮されている。
すなわち、尿中でのイヌリンの濃度は血しょうと比べで120倍濃くなっている。
イヌリンの量は尿中と血しょう中では変わらないのに(再吸収されないから)、尿中では濃
度が120倍濃くなっている。ということは、イヌリンが溶けている原尿は、尿量より、120
倍多い、ということ。なので、求める原尿の量は10×120=1200mL
続く