現代文
高校生

6行目の「なぜかというと」はどの文までかかっていますか?

小説 あくたがわりゅうの すけ 羅生門 芥川龍之介 1羅生門 平安京の正門 に当たり、朱雀大路の 南端にあった門。羅城 川のこと。 2年塗り (赤土ま+ ャ じ ある日の暮れ方のことである。1人の下人が、羅生門の下で雨やみを待っていた。 は赤色の絵の具)を N! いた赤い塗装 広い門の下には、この男のほかに離もいない。ただ、所々丹塗りの剥げた、大きな円 3朱雀大路 平安京を Mャ v 北に貫通する中央通 4市女笠 漆塗りの の菅笠。市場で物 る女(市女)が田 柱に、きりぎりすが一匹止まっている。羅門門が、朱雀大路にある以上は、この男のほか 4いち め がさ 5もみ え ぼ にも、雨やみをする市女笠や採鳥帽子が、もう二、三人はありそうなものである。それが、 n この男のほかには誰もいない。 お ので、こう呼ん こでは、それを た女を指す 6つじかぜ なぜかというと、この二、三年、京都には、地震とか辻風とか火事とか飢離とかいう災 o トらくちSう いが続いて起こった。そこで洛中のさびれ方は一とおりではない。旧記によると、仏像や 仏具を打ち砕いて、その丹がついたり、金銀の箔がついたりした木を、道端に積み重ねて 薪の料に売っていたということである。洛中がその始末であるから、羅生門の修理などは、" もとより誰も捨てて顧みる者がなかった。するとその荒れ果てたのをよいことにして、狐 5採烏帽子 柔ら んでしわのある自 リリでは、 それを 「 す。 理が棲む。浴位人が棲む。とうとうしまいには、引き取り手のない死人を、この門へ持って て でてい くという習慣さえできた。 そこで 日の目が見えなくなると、 誰でも気味
羅生門 羅城門の復元模型 25 狸が棲む。盗人が棲む。とうとうしまいには、引き取り手のない死人を、この門へ持って んでしわのある鳥帽子。 ここでは、それをかぶ きて、捨てていくという習慣さえできた。そこで、日の目が見えなくなると、誰でも気味 った男を指す。 を悪がって、この門の近所へは足踏みをしないことになってしま ったのである。 その代わりまた獲がどこからか、たくさん集まってきた。昼間 の」S 見ると、その猶が何羽となく輪を描いて、高い鳴尾の周りを鳴き 6辻風 つむじ風。旋風。 7洛中 都の中。京の市 ながら、飛び回っている。殊に門の上の空が、夕焼けで赤くなる 中。 o口 S記録。ここ ときには、それがごまをまいたように、はっきり見えた。鶏は、 かものちょうめい では、鴨長明の『方丈一 品」を指す 9鳴尾 宮殿や仏殿など の棟の両端に取りつけ もちろん、門の上にある死人の肉を、ついばみに来るのである。 ーもっとも今日は、刻限が遅いせいか、一羽も見えない。ただ、 所々、崩れかかった、そうしてその崩れ目に長い草の生えた石段の上に、鶏の糞が、点々 られた飾り。 と白くこびりついているのが見える。下人は七段ある石段のいちばん上の段に、洗いざら 2 2 した紺の襖の尻を据えて、右の頼に出来た、大きなにきびを気にしながら、ぼんやり、雨 10換あわせ (表裏を合 わせて作った衣服)。 の降るのを眺めていた。 作者はさっき、「下人が雨やみを待っていた。」と書いた。しかし、下人は雨がやんでも、 格別どうしようという当てはない。ふだんなら、もちろん、主人の家へ帰るべきはずであ 1暇を出された 勤めを 解雇されたということ る。ところがその主人からは、四、五日前に暇を出された。前にも書いたように、当時京 *マ3 都の町は一とおりならず衰微していた。今この下人が、永年、使われていた主人から、暇 刻限格別 衰微

回答

誰もいないことの理由を説明するためになぜかというとという接続詞を使っているので、形式段落丸ごとだと思いますよ。
〜この門の近所まで誰も足踏みをしないことになってしまったのである。という文まででいいのではないでしょうか。

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