基本 例題 43
対偶を利用した命題の証明
文字はすべて実数とする。 対偶を考えて,次の命題を証明せよ。
(1)x+y=2 ならば 「x≦1 または y≦1」
(2)2 +626 ならば 「|α+6|>1 または |α-6|>3」
CHART & SOLUTION
対偶の利用
00000
p.76 基本事項 6
2章
6
命題の真偽とその対偶の真偽は一致することを利用
(1)x+y=2 を満たすx, yの組 (x, y) は無数にあるから,直接証明することは困難であ
る。そこで,対偶が真であることを証明し, もとの命題も真である, と証明する。
条件 「x≦1 または y≦1」 の否定は 「x>1 かつ y>1」
(2) 対偶が真であることの証明には、次のことを利用するとよい。
解答
A≧0, B≧0 のとき A≦B ならば A'≦B2 (p.118 INFORMATION 参照。)
(1) 与えられた命題の対偶は
「x>1 かつ y>1」 ならば x+y=2
これを証明する。
x> 1, y>1 から x+y>1+1 すなわち x+y>2
よって, x+y=2 であるから, 対偶は真である。
したがって,もとの命題も真である。
麺 (2) 与えられた命題の対偶は
「la +6≦1 かつ a-b≦3」 ならば2+b2<6
これを証明する。
←pg の対偶は
g⇒ b
←x>a,y>b ならば
x+y>a+b
(p.54 不等式の性質)
0
論理と集合
= 0
される
|a+6|≦1, |a-b≦3から
(a+b)≤12, (a-6)²≤32
←|A|=A2
>1
よって
(a+b)2+(a-b)2≦1+9
ゆえに
2(a²+b²)≤10
よって
a²+b²≤5
ゆえに、対偶は真である。
したがって,もとの命題も真である。
← ' + b'≦5 と 56 から
a2+62<6
S
POINT 条件の否定条件p, gの否定を、それぞれp, gで表す。
かつ
または -PNQ=PUQ
またはq かつ
PUQ=PnQ
PRACTICE 43°
文字はすべて実数とする。 次の命題を, 対偶を
(1)x+ya ば 「xa-b または y>b」
(2)xについての方程式 ax+b=0 がただ1つ
して証明せよ。
もつならば