演習 例題 154 関数方程式の条件から導関数を求める
関数f(x) は微分可能で,f'(0) = α とする。
(1) 任意の実数x, y に対して、 等式f(x+y)=f(x)+f(y) が成り立つとき,
f(0),f'(x) を求めよ。
任意の実数x,yに対して, 等式f(x+y)=f(x)f(y) f(x)>0が成り立つと
(2)
き (0) を求めよ。 また,f'(x) を a, f(x) で表せ。
演習 152
指針> このようなタイプの問題では, 等式に適当な数値や文字式を代入する
ことがカギとなる。 f(0) を求めるには, x=0 やy=0 の代入を考えてみる。
f(x+h)-f(x)
h
また, f'(x) は 定義 f'(x)=lim
入して得られる式を利用して, f(x+h) f(x) の部分を変形していく。
に従って求める。 等式に y=hを代
解答
(1) f(x+y)=f(x)+f(y). ①とする。
図①にx=0を代入すると
よって
f(0)=0
✓ また, ① に y = h を代入すると f(x+h)=f(x)+f(h)
f(x+h)-f(x)
ゆえに f'(x)=lim
h
f(0+h)-f(0) (*)
h-0
=lim
.TAN÷122-0
(2) f(x+y)=f(x)f(y)
ゆえにf'(x)=lim
(AMM)
h→0
A-0
f(y)=f(0)+f(y)
=f(x).lim-
h→0
② とする。
=lim
f(h)
h-0 h
f(x+h)-f(x) f(x){f(h)-1}
h
h
h
=f'(0)=a
=lim
h→0
(*) f(0)=0
1 ② にx=y=0を代入すると
ƒ(0)=f(0)ƒ(0)
f(0) 2次方程式とみる。
よって (0) {f(0)-1}=0 f(0)>0であるから f(0)=1 <条件f(x)>0 に注意。
また, ② に y=hを代入すると f(x+h)=f(x)f(h)(x)=(x) (5)
f(0+h)-f(0)=f(x),f'(0)=af(x)
00000
lim
<x=y=0を代入してもよい。
アの両辺からf(y) を引く。
<f(x+h)=f(x)+f(h) から
f(x+h) f(x)=f(h)
f(th)-f(■)
h
261
<lim
h-0
-= f'(1)
MISIO
f(0)=1,f'(0)=a
RSSON SSI
検討 上の例題 (1) の結果から導かれること
(1)
上の例題の (1) については、求めたf'(x)=α を利用して, f(x) を求めることができる。
f(x)=fadx=ax+C (Cは積分定数)
f(x)f(h)-f(x)
h
5章
21
関連発展問題
←数学ⅡIで学んだ積分
法の考えを利用。
f(x)=αから
よって f(x)=ax
ゆえに C=0
f(0) = 0 から 0=α •0+C
なお、上の例題で与えられた等式(解答の①, ②) のような, 未知の関数を含む等式を関数方程
式という。参考として (2)については, f(x) = ex である。
練習
関数 f(x) は微分可能で,f'(0) = α とする。 任意の実数x,y, p (p≠0) に対して
②154 等式f(x+py)=f(x) f(y)が成り立つときf'(x), f(x) を順に求めよ。
集 Op.263 EX126