発展例題34
間隔dの複スリット A, Bに, 垂直に波長入の同
位相のレーザー光をあてたところ, スリットから
はなれたスクリーン上に明暗の縞が観察された。 次 d
に、スリットBのスクリーン側を厚さ a, 屈折率
n(>1) の透明な薄膜でおおったところ, スクリー
ン中央(O)の明線の位置がずれた。中央の明線はど
ちら側にどれだけずれたか。 OはAB の垂直二等分線とスクリーンとの交点であり,
d<1, a<lとする。
ャングの実験
発展問題 423
A|
0
n
BL
a
- 1
指針
光学距離を用いて, 空気中と変わらず波長は入と
し、薄膜を厚さ naと考える。中央の明線がずれ
た位置を O' とすると, スリットA, Bから 0'ま
での光学距離は等しい。 AO' の光学距離は AO',
BO'の光学距離は (BO'-a)+naである。
解説
薄膜中の光の波長は入/nになるが,
d=(n-1)a
チー
(n-1)al
0
x'=
d
n
B
ここでn>1であり,
x'>0 となるので,
明線は下側にずれる。
0°
BO'-a
a
1
図のように,中央の明線が下向きに
4ニー(n-1)al
*だけずれた位置0'になったとする。 この明線
は、A, Bからの光学距離が等しいことによって
生じており,
AO-BO'=(n-1)a
経路差は,AO'-BO'=dx'/1 と表されるので,
したがって,明線は下側に
だけずれる。
d
(注) BO' と薄膜は垂直ではないが, a<しであり,
0'は中央付近の明線なので, B0' の薄膜中の部
分にある長さはaと近似できる。
AO'=(BO'-a) +na