ちんじゅつ
3
陳述の副詞
①え答へずなり侍りつ。
(徒然草二四三)
「え」のように、修飾される語に一定の言い方を要求する。陳述の副詞を受けて一
定の言い方で結ぶことを副詞の呼応という。
呼応することによって表される表現内容により、陳述の副詞を分類すると以下の
ようになる。
分類
陳述の副詞
呼応する表現
□香尺
ニニ
あへて・おほかたさらに
絶えてつゆ
をさをさ
ず・じ・まじ
でなし
まったく…ない
けっして…ない
ほとんど・・・ない
まだ・・・ない
打消 いまだ
え
ず・じ・まじ・で
とても・・・できない
も
じ
いさ
知らず
な
そ
禁止
ゆめゆめゆめ
な
まさか・・・まい
さあ・・・わからない
・・・するな・・・してくれるな
けっして…するな
たとえ…ても
とも
たとひもし
仮定
もし…ならば
よしよしや
とも
たとえ…ても
あるいはけだし
もしかして・・・だろう
いかばかり
推量 おそらく
むけむらむ
べし
かならず・さだめて
どれほど・・・だろう
たぶん・・・だろう
きっと…だろう
なるほど…だろう
むべ(うべ)
況 あたかも・さながら
ごとし
まるで…のようだ
当然すべからく・まさに
いかで
べし
当然・・・べきだ
願望 なにとぞ
ばや・もがむ
しがな
ひとへに
にしがな
あにいかでなぞ
疑問など・なでふいづくんぞや・か
反語
いかがいかに
なんとかして・・・たい
ひたすらに・・・たい
〈疑問>どうして…だろう
〈反語>どうして…か、いや、…ない
活用語の連体形 〈疑問>どのように・・・か
〈反語>どうして……か、いや、…ない